着物の仕立て代

国内の和裁の仕立て屋は とても少なくなってきていると思います。個々の仕立て代が低すぎて 一年365日働いても 国のいう所の低所得労働者です。

どうしてそうなのかは 海外縫製に対抗できないからです。海外縫製でも 日本人と変わらない綺麗な仕立てはいくらでもあります。日本で生活しているなどということは 全く考慮されないで 海外縫製と同じような仕立て代で 国内の縫製業者に仕立てるようにいわれるのです。海外縫製のない時代に契約していた人は なんとか低い仕立て代を逃れている人もいますが、そうした人は そこそこの年齢です。海外縫製の難点は 納期にそれなりの時間がかかるということです。納期が早い物は国内の縫製業者に回されます。こんな状態では 将来 和裁ができる人がいなくなります。手縫いの技術を日本国内に伝えていく為には どうすればいいのかを真剣に考えてくれる呉服屋さんが増えてほしいです。国内の縫製業者を守る為に 海外縫製はだしませんというような 呉服屋さんが閉店しないでほしい。  そのような呉服屋さんがあるなら 名乗りでてほしいです。今の時代 稀な呉服屋さんです。

安いものにはわけがある。

小売屋の呉服屋さんに卸とかメーカーから 「訳ありの着物を売ってくれないか」という申し入れがあります。そうした着物は当然 いつもよりお安い値段でお取引があります。小売屋ではお店なりにお客様の状況などを考えて 「それなりに 訳ありですが いかがですか」というのです。仕立て屋から見るとそうした着物は 買わない方がいいと思います。着てもその欠点がわからない場合もありますが、「生地代は無料にすべきじゃないかと思うものがあります。」私なら無料といわれても もらわないと思う着物があるのです。中には着た時には 表にでないので気にしなくてもいいと思うものもあります。そうした時はラッキーだと思います。ところが 訳ありの訳をちゃんとその場でわかる人などそうそういません。

実はすすめている店員もどこが どれほど訳ありなのか自覚なしで売っているので すすめることができます。真実を知った上で、仕入れるわけではないのです。仕立てる段階になって 仕立て屋の方から「これほんとうに仕立てていいのですか?」と問い合わせします。店の方からは「お安くしています。お客様にはご了承いただいています。」と返事があるから 縫わないわけにはいきません。

お店の方が「お客様にご了承いただいています。」と返事があっても 「ほんとうですか?そうは言われても これはひどいと思いますけど ほんとうにいいのですか?」と念を押して なんとか 多少は色焼けをなおしてもらう時があります。完全にはなおってきません。費用をかければ 儲けがないので 費用はかけられません。というより ほんとになおせば 売った金額より 直し代の方が高くなるからなおせないのです。

仕立て屋がほんとうの意味で 自立できていれば 着物を愛するお客様に もっとちゃんと説明ができるのにと思います。呉服屋さんをとおさず 仕立てをお近くの和裁士さんに依頼してみませんか?

 

着物を購入する時

着物の購入する時 鏡の前で体に沿わして 顔写りがいいかどうかを見たりします。自分に似合うのかどうかを見るのは 大切ですが 仕立てる仕事をしていると 産地とか色やら柄も見ますが やっぱり一番みたいのは 生地がどうかということです。夏物でもないのに 薄々で立てて透かしてみたら 向こうがみえるような生地はやめるにこしたことはありません。すぐ近くで見ていると 向こうが見えるような生地がどうかまではわかりません。4、5メートル離れて誰かに立てて持ってもらうとすぐにわかります。一度 お試しください。店員さんには嫌われますが そうやって 確かめたら困るようなことをいうお店ならば 購入しない方がいいのです。お店にはそれしか置いていないということはありません。薄々の生地の値段はこれぐらい、そうでないのを購入しようとすると これぐらいはださないと ないのだなぁと リサーチする事が必要なのです。