関西式女物長襦袢の地衿
関西式の長襦袢には二つの衿があります。一つは半衿を付ける地衿、もう一つは立衿です。この二つの衿があるのが関西式の特徴です。地衿の仕立て方はいろいろありますが大きく分けると二種類です。

女物長襦袢は衿芯を複数使用します。目的は衣紋を綺麗にぬく為です。普段着に着物を着ていた時代には衿芯なしで着ていたと思います。普段着は女性も男性と同じようにほとんど衣紋をぬかないような着方だったからです。現在でもかたい衿が嫌いな人は衿芯を使わない人もいます。
長襦袢の衿芯は三種類あります。
- 着る時に半衿と地衿の間にいれる衿芯。
- 半衿と同じぐらいの大きさで綿の帯芯のような生地。(10センチ×100センチぐらい。)
- 17センチ×1メートル50センチぐらいの大きさで綿の帯芯のような生地。
1番の衿芯は 初級編3 和装小物のページで紹介しています。和装小物 >>
一般の人は衿芯といえば1番だと思われているかもしれません。大きさはちがいますが。2番と3番も衿芯といいます。長襦袢の地衿の仕立て方にいろいろあると知らないお店もあり、購入する時は確認する必要があります。地衿の仕立て方の違いで2番を使う仕立て屋と3番を使う仕立て屋がいます。(衣紋をとにかくきれいにぬきたい人は全部使う人もいます。)
長着の衿型に広衿、ばち衿、棒衿とあるように長襦袢にもあります。一般の人で長襦袢の衿を広衿にする人はほとんどいません。棒衿かばち衿のどちらかです。
2番の衿芯を使う地衿の縫い方
最初に長襦袢の表生地や晒を使って地衿を縫います。棒衿つまり 一定の衿巾で仕立てる場合が多いかもしれません。その上から 半衿と同じくらいの大きさの衿芯(つまり2番)を縫いつけます。その上に半衿を縫いつけると完了です
この方法は 長襦袢の表の生地が多く必要になります。背の高い人だと衿生地が不足するので 半衿で隠れる部分は晒で代用したりします。下の長襦袢は表生地でつかっていますが、背中心でついでいます。そうしないと生地が足りなかったと思います。

↑ 地衿が長襦袢生地でできている物。地衿巾は一定です。横にある白いのが2番の衿芯で半衿と同じぐらいの大きさ

↑ 上の長襦袢に2番の衿芯をつけた写真です。そして この上に半衿をつけます。
3番の衿芯を使う地衿の縫い方
衿芯を地衿として縫います。多くの場合は 半衿より下の部分は 長襦袢の表生地から衿先布をとります。衿芯に衿先布を縫いつけてから 地衿として縫います。衿型は「ばち衿」が一般的です。
↓ 同じ長襦袢ですが 3番の方法に仕立て直しました。衿先布が付けてあり、2番の衿芯を中にいれて仕立てています。通常3番の方法では2番の衿芯は使いませんが、上の方法をやり直すので2番の衿芯があまります。あまっても何もできないので、中にいれて仕立てました。2番の方法のように地衿の外側にもう一度衿芯を縫いつけるのはごろごろするので あまり好きではありません。 この上に半衿をつければ完了します。写真ではわかりにくいですが ばち衿になっています。

私の習った方法
3番の方法です。縫う回数が多いので2番の方法は手間がかかると感じます。
おまけに半衿付けについて
半衿付けがなければどんなにいいだろうと思っている人は多くいます。めんどうな半衿付けを簡単にしようとさまざまな方法を提案しているのを見ます。今のところ 縫う以外のことで、これなら良いと思えるようなものはないです。マジックテープやスナップはしみの原因になりそうだし 接着剤のついた半衿もうっています。接着剤は完璧にしみの原因になります。
クリップでとめる半衿というのがあります。地衿の縫い目がクリップより小さいとクリップがうまくはいらないです。細かい目で丁寧に縫っているのに、「縫い目が小さいからクリップがはいらないわぁ。」と重ね衿をつける時に着付けの人から文句いわれたことあります。
裁縫ができない人には半衿付けは苦痛でしかありません。最初に半衿をつけてくれていますので、贅沢いわなければ そのままで着ます。汚れたら 長襦袢ごとしみぬき屋さんに持っていきます。半衿が長襦袢についたままでも綺麗にしてくれます。洋服のクリーニング屋ではなく、着物専門のしみぬき屋さんに持っていきます。
自分でいろいろと半衿を付け替えたい人はどのような方法をするにしても、半衿付けを楽しむしかありません。どうしてもできない人は近所にやさしい仕立て屋さんを見つけて、つけてもらうことです。¥500(送料別)でお付けします。宣伝になってしまいました。
半衿の付け方をネットで紹介しています。でも 仕上げを丁寧に教えてくれていません。綺麗に半衿を付けたかったら アイロンを使うことです。家にアイロンのない人は 綺麗に半衿をつけられるわけありません。



