裾まわし 八掛けについて
八掛けの種類
| 八掛けの種類 | |||
| 正絹 | 普通生地用 | 無地 | ぼかし |
| 紬用 | 無地 | ぼかし | |
| そのほかの柄もの | |||
| 化繊の八掛け 無地または柄あり | |||
無地の方が染めるのが簡単なのでぼかしと無地では無地の方が安価です。お店によっては 紬用は擦り切れやすいので表地が紬でも普通の八掛けを付けるお店もあります。このような考えをするお店が多くなっていることと、着物が売れないことで 紬の八掛けの方が色の種類が少なくなっています。個人的には紬には紬の八掛けの方がいいと思っています。普通生地用の八掛けにもびっくりするほど薄い生地があり、紬用が擦り切れやすいといわれますが、安物はどんなものでも擦り切れやすいと思います。
八掛けは取り寄せになると思った方がいいです。お店に行ってもほとんど商品はありません。理由は在庫をおきたくない、保存に気をつかう必要がないからです。
色見本だけで八掛けの色を選ぶことになります。見本が小さいのでイメージしにくいです。八掛けが何かさえ知らないお客様もいるので、お店が選ぶ事も多いです。「どんな色にしますか?」と聞いても「よくわからないので任せます」と言われるお客様もいます。これはとても残念な事です。色あわせは着物選びの楽しみの一つです。自分の好みが決まっていても店員に意見を聞くのはおもしろいです。人それぞれの選び方が参考になりますし、その店員の実力もわかります。見本の色では満足できない時があります。既製品ではなく、オーダーする方法もあります。この方法は時間がかかるので、時間に余裕がない場合は既製品の購入になります。
八掛けという名称
前身頃×2 後身頃×2 衽×2 衿先×2 合計八枚の生地でできているので八掛けといいます。今 「八掛け」は10枚の生地をとります。つまり袖口布の二枚分もとります。これは昔 おそらく袖口布を八掛けとは別の生地でとっていた証拠だと考えています。
ぼかしの八掛けができた理由

ぼかしの八掛けは江戸時代はありませんでした。表生地の色は濃い色しかなかったのです。はっきりといつとはわかりませんが、表生地に薄い色の物が商品化されました。表が薄い色で、裾回しや胴裏が濃い色だと、せっかくの薄い色に裏地の色がうつってしまいます。それで紅絹の胴裏ではなく白色の胴裏ができ、八掛けは着た時見える部分だけを染めた「ぼかし」が作られました。

ぼかしの八掛けにすると不思議と表側に八掛けの色がうつっていないとはいいませんが、気にならなくなります。
ぼかしの八掛けを購入した時
ぼかしの八掛けは裁つ位置が決まっています。染め方は八掛けによって多少の違いがあります。下の図以外にも袖口布と衽裾が両端に染めている時もあります。『基礎編5単衣と袷』で袷長着の図を参照して下さい。下の図のようなパターンで染められています。
単衣と袷 >>

下の図は二番目の八掛けの裁つ位置をピンクの線で表しました。

完全に不良品といえるのは「袖口と衿先布」「衽裾」この部分の丈が足りない時と「衽裾」の染まり具合が短い時です。袖口布の長さが1尺5寸(約57センチ)あればOK、1尺4寸(53センチ)だと短いですができます。 それより短いと染め間違いと判断していいと思います。次に衽裾は2尺5寸(約95センチ)ぐらいあるはずです。何かの都合でこれより短い物もありますが2尺4寸(約91センチ)はあるはずです。褄下(衿下)の標準が2尺(約76センチ)と考えると、もしぼかしの染まり具合が2尺でとまっているようならばこれは不良品です。衽裾のぼかしは衿先のぼかしとつながらなければならないからです。下の図は褄下が2尺以上ある人はぼかしの色が途中で途切れてしまうことを示しています。

ぼかしの八掛けは裾部分の色をそろえなければなりません。既製品は一枚分ずつ染めるのではなくは何枚分かをまとめて染めます。出来上がった状態にしてぼかしをそろえて染めません。従ってぼかしの染まり具合は同じ一枚の八掛けでもちがいがあります。一度裁ってから細かくあわせるので、全体の長さは、ぼかしをそろえる事により短くなります。裾は緯糸に沿って裁ちます。つまり地の目を基準にします。緯糸にそって裁つとたいていぼかしの巾が変わります。裁ってからでないと色をあわせる事ができません。(紬用の八掛けは緯糸にそって裁ちません。)このような事から裾まわしの丈を予測するのは難しいです。胴裏の方で余裕を見ておく必要があります。前裾と後裾のぼかしの染まり具合や巾が同じでも衽裾だけが短い巾で染めっていたりもします。上前の衽裾の部分は風が吹いたりや歩く時に目に付くところですので ぼかしの巾を揃えたい部分です。

このホームページではメートル法と鯨尺を表記しています。和裁では鯨尺を使って仕立てます。(曲尺を使う地方もあるようです。)


