着付け 着崩れないようにするには

長襦袢の着方が大切

長襦袢の着方

長襦袢をいがんで着たら、その上に着る長着をまっすぐ着ても まっすぐ着ているようには見えません。長襦袢の衿が着崩れたら、長着の上から長襦袢を直すのは難しいです。だから 長襦袢をしっかり着る事です。
図では○になっていますが 少々浅めになっています。豊かな胸の人は脇のちょっと下ぐらいに衿がくるぐらい 深くあわせた方がいいです。
女性の場合 胸の下で伊達締めで固定します。前あわせが浅いと すぐに衿元が広がってしまいます。前あわせが浅い人は 半衿のVの部分が下になっています。目安は 鎖骨のちょっと下がVの部分になるように着ます。


着物姿は肩巾が狭いとかっこよく見えます。写真に撮られる時は体を正面に向けずに 横をむくとどんな人でもよく見えます。もし 下半身の太めを隠したかったら 帯揚げの位置に自然な感じで手をそえます。(写真に向けている方の手)そうすると腰を袖が隠してくれます。花嫁が写真を撮る時の扇をなくしたポーズをとるのです。


着物関係の本や雑誌には 補正の方法を写真で説明しています。でもその写真 大きな疑問があります。背の高い人 太った人 などそれぞれのビフォアー アフター が写真に撮られていますが、多くの場合 ビフォアーは正面からの写真 アフターは着物姿が一番かっこよく見えるポーズになっているのです。これでは ほんとにその補正が正しいのかわかりません。人の体形はいろいろです。みんながみんな同じ着物姿になるのはおかしいと思うのですが、ネットで着付けの学校を見ていると先生と生徒の写真が掲載されています。同じ学校の先生と生徒は同じ着方をしています。補正をたくさんすると同じ着方になり 先生の好みの着方になっていないと いろいろ注意されるのかもしれないと邪推したくなります。私は実はほどんど習ったことがないもんで・・・。重要なことは 苦なく着物を着ることであり 着崩れないことです。

『after』 の図がどうしても お腹の突き出た人になってしまう~~~。

左側に体を向けるとかっこよく写れる

着付け 半襟の見せ方 

重ね衿(伊達衿)について

重ね衿重ね衿は比翼の一番省略形ともいえます。半衿と長着の衿の間に少しだけみせて衿元を豪華にみせます。振袖に使われる事が多く。重ね衿自体が複数の布を重ねている物もあります。写真は一色のものです。市販の物はクリップがついていて半衿の方に止めます。半衿と重ね衿と長着の衿の色あわせは帯、帯締め、帯揚げ、を含めた全体の色や着物の持つ雰囲気をよく見て決めることをお薦めします。

前から見た時の半衿の見せ方半襟の見え方を変えた

重ね衿は付けていません。半衿を見せたり見せなかったり、衿元を下であわせたり、のどのすぐ下であわせたりした写真です。着る時に、衿の着方を変えられるのが着物のいいところです。ただしはっきりいって右端の衿あわせは下品ですのでおやめ下さい。

後から見た時の半衿の見せ方

後ろから見た時の半襟の見せ方
衿の後ろ側はどのようになっているのでしょうか?簡単にいいますと半衿は長着の衿から『 引っ込める 』のか『 だす 』のかという事です。答えは着る方の好みで決めればよいです。今は衿巾までリクエストする人はめったにいません。白色の半衿を付ける人の方が多く、基本は長襦袢の衿巾の方が長着より狭く仕立てます。私の場合、長着の衿肩周りの巾は1寸5分、長襦袢の衿肩周りの巾は1寸4分に仕上げます。仕立て屋さんによって長襦袢の衿巾のひかえ寸法は異なるようですが、長着の衿より広くはしません。比翼が付いている時は広衿で長着は3寸、比翼の衿は2寸9分に仕上げます。これをそれぞれ半分に折って着ます。
着物で衿元は重要な部分です。図のように半衿を衿肩周りでも出す時はそれなりに豪華な刺繍や柄の入った半衿をつける時の方が良いと思います。ここで一番のポイントですが、出すと時には長襦袢の衿巾の方を広くするということです。そのようになっていない着物を無理やりだす着付けの人がいます。よく知っている着付けの人は無理やり出したりはしません。おたづねすると無理やり出すと衿が綺麗にならないのでしませんとお返事がありました。
以前に聞いたことですが、名古屋で友人の結婚式に出席した時、振袖を着付けてもらったら、半衿を出そうとしたので「出さないでください。」というと「そんなに地味でいいの?」といわれたそうです。名古屋の方を悪くいうつもりはありません。名古屋では振袖の半衿は出して着る方が一般的な事かもしれません。私は京都の和裁学校で習いましたが、長襦袢の衿巾は長着より狭くすると習いました。大阪でも仕立て屋さんによっては振袖長襦袢の衿巾を広くする人もいるようです。名古屋で着付けてもらった人は和裁士で自分で縫った振袖です。振袖長襦袢の衿巾がせまくなっているのに無理に出して着付ける事に違和感があったのです。

半衿を衿肩周りで出したい時はどのようにするのか
  1. いかなる時でも半衿を出して着ると決めた方は呉服屋さんや仕立て屋さんにその主旨を伝え、最初から長襦袢の地衿巾を広く仕立ててもらえばいいです。
  2. 出したり控えたりいろいろしたい方は広衿にする事をお薦めします。長襦袢の広衿は着慣れない人には面倒な事です。そこで長着の方で調節します。私の場合、長着の広衿は3寸で1寸5分に折るようにスナップやひき糸をつけています。着る時には半分にするということです。それをもう少し折りこんで着るのです。衿巾は狭くなりますがその方が無理なく着付けられます。長襦袢の衿巾がどのようになっているかを見てから長着の衿巾を考えてください。
  3. 長襦袢の地衿はそのままで半衿だけを広く付ければいいと考える人がいるかもしれませんが、半衿だけ広くするというのはおすすめしません。半衿と地衿の間に隙間があると衿肩周りのところで半衿がゆるんでしわがたくさんでます。半衿の付け方には二つのポイントがあるのですがその内の一つです。隙間はあけない事です。バチ衿の方は着付けの腕で対処するしかありません。うまくごまかして着るということです。仕立て屋としては寸法があっていなければ綺麗に着れないはずですというしかありません。現実は衿肩周りでづれて着ている人もよくみかけます。着方がうまくないのか寸法があっていないかはその人それぞれです。

スナップがついた広衿

長着の広衿でスナップがついています。スナップの大きさにもよりますが、上のスナップをスナップ一個分~二個分弱下に付けます。慣れた人は折るだけで着る人もいますが固定させた方が無難です。
『ひき糸』になっているのもあります。ひき糸が重なるとからんでしまうのでよくないですし、一般の人は持っていないのでスナップで付けてください。

引き糸がついた広衿

「ひき糸」がついている広衿です。スナップやひき糸はお店や仕立て屋さんによって違います。衿の中心で一箇所付ける時と肩周りの部分にも付ける時があります。比翼が付いている時は位置を少しずらしてつけます。ひき糸の方がごろつきませんが薄物の時には引いた紐を衿の中にいれないと背の方に垂れ下がり、外から見える時があります。

長襦袢の衿長襦袢の衿

長じゅばんの衿の図です。半衿は下の位置で地衿が見えないように広めにつけています。長襦袢の衿巾は半衿の巾ではなく地衿の巾がポイントになります。半衿がついているならばちょっとめくって地衿巾を測ります。右側の図で赤い線の所で半衿と地衿がすかないように付けてください。半衿を出して着たい方は長着の衿巾より1分広いぐらいでいいのではと思います。4ミリほどです。

着付け道具(和装小物)

小道具の見本

前板
前板
前板のみ、紐付き、ゴムベルト付きの三種類があります。ベルト付きは体と帯の隙間が開いて帯揚げが入れやすいというのが売りです。少し厚めのボール紙で代用できます。夏場は通気性が悪いので使わない方がいいですが・・・。写真の下がベルト付きです。
衿芯
衿芯
半衿と地衿の間に通す芯です。写真の物は厚めです。もっと薄い物もあります。どれを使うかは 使わないを含めて それぞれです。衿芯は裏側にいれるのか表側にいれるのかでいつも迷います。着付けする方に聞いてもいろいろです。結局、好きな方ということでしょうか・・・。ただ 写真のような模様のある衿芯を表側にいれると薄い半衿では衿芯の柄がうつりますので、注意が必要、裏側に入れるのが無難です。
帯枕
帯枕
帯枕にはさまざまな大きさと形があります。大きく分ければお太鼓用とその他用があります。帯枕はほんとうは枕だけをさします。写真はガーゼでくるんでいるタイプです。細い紐がついているタイプのもありますが、ガーゼでくるんでいる方が使いよいです。紐では肋骨にくいこむ時があるからです。劇場などの椅子は着物を着る人のことまで考えていませんので高い帯枕はやめた方がいいです。
腰ひも腰紐

腰ベルトやコーリンベルトを使うならば腰紐はいらなくなります。昔からいわれていることですが、着物は慣れれば腰紐一本で着れます。着る回数が増えれば自然にそうなれます。腰紐には素材で絹 ウール 麻 化繊があります。身巾の広い人は長尺物を選びましょう。

コーリンベルト

コーリンベルト

長着の衿を整えた後に下前の衿にとめて、上前の身八つ口からだして後ろに回して上前の衿にとめます。女性が使う物ですが人によっては使う事で半衿の見せ方がうまくいかない時があります。というよりも必要以上に衿を引っ張りすぎるきらいがあります。うまくいかない時は紐でしましょう。

腰ベルト

腰ベルト

女性が長着を着る時に裾の位置を決めて腰で結ぶ時に使います。最近は男性用の腰ベルトもあります。二回巻いて端についているフックでとめます。

帯止め帯どめ

着る時に長襦袢と長着の衿がづれないようにとめたりします。また 帯を結ぶ時に仮に止める時につかったりもします。ないと着れないものではありません。取り忘れに注意しましょう。ピンクのはプラスチック製です。左は真鍮なので高いです。

伊達締め伊達締め

左の上の赤い伊達締めは昔のです。広くて長くて帯と間違えるかもしれません。その下の緑色のが正絹の伊達締めです。右の二つは化繊です。右上のは衿をはさむ金具がついています。男性用でも同じタイプの物があります。写真にはないですが、マジックテープ式の伊達締めもあります。

帯枕の台 帯止め帯枕の台と帯どめ

背中の後で帯にはさんで使います。左の物は昔ので、骨組だけて作られているようなものですが、最近は右二つのタイプに変わりました。中央のは帯枕の台が二通りあり、好みで変えられます。帯枕の台を取り外す事もできます。右側は変えられません。また慶弔用に白と黒もありますが、誰かに見せるものではないので一つあれば十分です。またなくても帯は締められます。いつもあたる部分が同じなので 着物にすれがおきたりします。

帯どめ

向かって左が帯止めです。帯が緩まないようにしっかり締めてから帯をはさみます。右側は帯枕の台です。市販の物を買わなくても 手ぬぐいを巻いて作る事もできます。昔はそのようにしていました。