文化芸術振興基本法の改正法案が国会で可決・成立

6月16日、文化芸術を推進するための法律、「文化芸術振興基本法」の改正法案が国会で可決・成立しました。今回の改正は、文化芸術そのものの振興にとどまらず、観光やまちづくり、国際交流、福祉、教育、産業など幅広い関連分野の施策を法律の範囲に取り込むとともに、文化芸術により生み出される様々な価値を文化芸術の継承、発展及び創造に活用しようとするものであり、法律の名称も「文化芸術基本法」に改められました。

以上のように 文部科学省のサイトに掲載されていました。

和服は日本の文化芸術に値するものだと思いますが 呉服業界は不況の嵐です。和裁でいうなら 外国の安い工賃に 国内の和裁縫製業者は対抗できません。外国の安い工賃に合わせたら 日本国内では生活できないのです。

ほんとうに 文化を守りたいのならば  後継者(職人)が安心して技術を学び、生活できる環境を整えるべきだと思います。

半衿つけ

ある時 呉服屋さんで商品を見ていたら、「半衿をみたい」とほかのお客さんが来ました。店員が「ここにあります。どんなものをお探しですか?」と尋ねると「100円ぐらいの。」と返事がきました。

100円の半衿か? それは なかなかないだろうし、100円では 巾も丈も短くて 衿芯がはいるのだろうか?と思いましたが、そのお客さんの説明では「汚れたら 捨てるから 安いのがいいの」ということでした。 😯

半衿は 汚れたら洗って、付け替えるというのが本来ですが 裁縫ができないので 半衿のつけなおしがめんどくさいわけです。半衿付けは 年齢に関係なく やりたくない人はやりたくありません。高齢になると 針に糸を通せなくなるので 昔は裁縫をしていた人でも したくなくなります。呉服服屋のお客様の平均年齢は毎年高くなっていきますので 半衿つけサービスは需要があります。

100円の半衿とはいいませんが、それぞれの呉服屋では定番の半衿というのがあります。その定番の半衿がどんどん質が悪くなっていきました。同じ品番の物を仕入れても 明らかに 2年前とか3年前と比べると徐々に 薄くなっていくのです。そうした事実がわかっていても そう簡単に仕入れる品を変えません。

ある時 半衿の付け方にクレームがありました。半衿は 地衿にくるんで縫い付けるわけですが、薄々の生地だから 二重になっている部分が折れ筋になって 強調される為 折った部分が 外側に見えないようにつけてほしいという事です。

昔は そんなクレームはきませんでした。なぜなら そこまで 薄い半衿をつけないからです。せっかく 上等の着物を着ていても 半衿がしょぼいと 全体のバランスが悪くなります。

よく考えれば 着物や帯を購入するより 半衿の方が 安いわけで いろんな半衿を付け替えることで おしゃれを楽しむ事ができるのですが・・・。 😛

女物の着物の身丈を継ぐ

身丈が足りなくで そのままでは着られないということがありますが、その場合 身丈を別の生地で継いで、着られるようにする場合があります。

でも 丁度いい生地がそうそうあるわけではありません。ネットの古着屋でカットした生地が売られているので、それを利用する呉服屋もありますが、ここに落とし穴があると思います。

仕立て屋には洗い張りされた着物と不足分を補う生地が届きますが、その継ぐ用の生地の状態が悪いのです。例えば 洗い張りされた生地よりも古い生地で、時には 一度もきれいにしていない、寸法の短い着物を解いて アイロンをあてただけのような生地があるのです。かびがついているような生地は 「ほんとうにこれで継いでいいのですか?」と問い合わせしたこともあります。

同じ色や柄の生地を用意するのは不可能ですが、継ぐ生地の質が悪すぎるのは ほんとうに悲しい事です。そして 呉服屋の本音がわかります。

もう一つ 指摘したいことは 呉服屋は着物の生地の専門家のはずですが、ネットで購入したら、状態のよくない生地を購入するということは ネットで生地を購入する事が 難しいということがわかるわけです。でも 私も 何度か ネットで 着物のカット生地を購入したことがあるのですが ここまで状態の悪い物を購入した事がないといいきれるので、いろいろなサイトをみた上で 十分に吟味していないことが明白です。 

呉服屋さんの本音は とりあえず お客様の要望どおり 一つの着物を着れるように仕立て直して その後は 自社の着物の購入を積極的に はたらきかける為の一つの手段です。その販売方法が悪いとはもうしません。ただ 別布に寿命が短いような古布は持って来てほしくないということです。

身丈を継ぐといっても 着た時にみえないようにするならば 継ぐ生地に限度があります。お客様に着物を見せてもらった時点で呉服屋が判断できないと意味がありません。そうしたことを依頼する場合は、着る事ができて、和裁のわかる社員がいつもいる呉服屋でお問い合わせください。継ぐ生地も確認した方がいいです。