日本の履物基礎知識

履物の種類

花緒履物類 下駄類 一本作り(こっぽり はこげた どうじま しかん)差歯(あしだ ひよりげた あずまげた)すべり下駄(ゆきげた おべりげた)
草履類 草履(金剛 緒太 藁草履 和襪子)半草履(あしなか とんぼぞうり まめぞうり)雪踏(せった せきだ ちゃうちゃう)
草鞋類 無乳類(ごんぞうわらじ)有乳類(わらじ ほか)爪掛付草鞋
被甲履物類 履類 雪履 藁履(ゆきぐつ わらぐつ てもぐつ)爪掛踵掛(つまご けしごめ あしまき)浅履(木沓 浅ぐつ)探履(靴沓 ふかぐつ ふんごみ)
草類 毛足袋 皮足袋 綱貫
足袋類 襪 足袋 半足袋 地下足袋
間接的履物類 かんじき 板かんじき 輪かんじき 鉄かんじき
踏俵 ふみだわら
足桶 あしおけ
田下駄 たげた
服飾大百科事典より

日本の履物の履き方

第四趾と第五趾が台よりでる
下駄は台から足の指を二本出すのが粋ということになっています。親指は第一趾又は母趾といい、その隣から第二趾、第三趾、第四趾、第五趾となるそうです。手は『指』の字を使い、足は『趾』の字を使う。日常使う時は『親指』と『小指』に『足の人差し指』なんていいますよね。接骨医にたずねると親趾(おやゆび)と小指(しょうし) 他は第二趾 第三趾 第四趾 と答えが返ってきました。
草履や雪踏は台の巾はいろいろです。第五趾もでないサイズもありますが、好みで決めればいいと思います。歩きやすいのは小判型つまり小指がでるかでないかの巾の型です。

かかとが台よりでる

 

ついでに踵も台から出します。もし台が踵より長いと横の写真のようなことになります。下の写真と比べてください。どちらがいいでしょうか?

かかとが台からでない

 

ファッション的なこともありますが、台の方が足より長いと、着物の裾を踏みつけます。足と台の間に裾がはいってしまうのです。こける原因になるので、台の方が足より短くするのだと思います。たいていの説明は粋だということになっています。

花緒の部分名称

前から見た花緒

花緒のぶぶ名称

下駄や草履に花緒をつける事を「花緒をすげる」あるいは「花緒を立てる」といいます。第一趾と第二趾ではさむ部分を「前坪」あるいは「先坪」といいます。元々は江戸での俗称みたいですが、現在では一般的になりました。
○立は花緒の太さをあらわす専門用語です。花緒は着物と同じ鯨尺を使用します。お店によっては曲尺を使うところもあります。三立 三半立 四立 四半立 五立 五半立 六立 となります。センチになおすとどれぐらいになるのかは現在不明です。
すげる前の花緒

上の写真は草履に立てていた花緒を抜いたものです。だいぶ崩れていますがお許しください。上の写真のように二つをセットにして、前緒と後緒をそれぞれ結んで、前緒に前巻(商標)をつけます。昔は前巻を見てお客は買いました。
『鼻子』 (はなご)と称する人もいます。ちなみに 呉服屋さんから最初にこの言い方を聞きましたが、調べてみるとこの名で呼ぶ地域が確かにありました。
横緒の名の由来ですが、すげてしまった花緒ではよくわかりませんが 後緒を離すと横になります。芯が入っているので真一文字という事ではないですが広がるのです。
昔の花緒は足の側面から側面に巾広のものを渡しただけで今のようになったのは室町時代のころと文献にあります。この二つが横緒の名の由来かもしれません。


花緒の中はどうなっているのか

芯縄、芯布、紙、綿がはいっています。
芯縄は見えています。化学製品という物がない時代には麻を使いました。様々なものを使った結果 麻が一番適した素材ということになりました。現在は専門家でも意見が違います。ナイロン糸の方が強いです。それで麻とナイロンの混合糸を使っている人もいます。安物はナイロンの紐です。
紙も職人さんによっていろいろです、最近は紙が高く、便利なものも開発されています。やわらかいプラスチックを使うなどいろいろあるようです。
綿をいれない花緒もあります。綿を入れる花緒は麻と同じで、綿が高価になっているので、化学繊維の綿を入れている花緒もあります。


花緒の大きさ

横緒の丈は1尺1寸から1尺2寸ぐらいの布から作ります。1尺(36センチ)の長さがあればできます。男物の方が女物のより少し長く作ります。
下の表は生地の裁ち巾と出来上がりの寸法を記したものです。花緒には細工物といっていろいろな形があります。これは丸花緒の寸法です。一枚の布の端を縫い合わせて筒状にし、芯縄と紙と綿を入れた花緒です。

出来上がりの巾 尺貫法 出来上がりの巾 ミリ 生地の裁ち巾
1寸3分 11ミリ 三丸
1寸4分 15ミリ 四丸
1寸5分 19ミリ 五丸
1寸6分 23ミリ 六丸
1寸8分 34ミリ 六丸

花緒は細い方が作るのが難しいです。
現在は15ミリから23ミリぐらいの巾が多いです。
11ミリはかなり細い花緒になります。
下の写真のブルーの花緒が丸花緒じゃないけど15ミリの太さです。下と比べると細いと感じます。台から抜いてしまったのでわかりにくいですけど。
綿の入っている花緒と綿の入っていない花緒とでは綿の入っている花緒の方が太く感じます。つまり平らな方が細く見えます。

花緒の巾を比べた図

太物の流行の時は3寸とか4寸というのもあったようです。11.5センチ以上はあります。太めとおもっている花緒は歴史では並みの太さなのかもしれません。

履物の選び方

下駄 草履 雪踏は花緒のすげれるお店で買いましょう。

花緒ずれがおきる位置花緒挿げ技能士という人がいます。基本的にそうした人がいるお店で買いましょう。 花緒ずれになるのは『前坪』や『横緒』があっていないのを無理に履くからです。 ゆるすぎるのは逆に危険です。お天気予報が簡単にできるのはゆるすぎます。
上手な人にすげてもらうと何かの拍子に後から蹴られても脱げません。履いていないみたいに足に吸い付きます。なじみのお店をみつけることです。 慣れてない人は革の花緒より布の花緒にする方がいいです。花緒には歴史があって 花緒にするのに適した布というのがあります。足の為にはちょっと奮発して良い花緒を買ってください。
日の本の履物で外反母趾は考えられませんが 流行の『なま足』でハイヒールを履く人はすぐ靴擦れになるので大き目のサイズにしている人がいますね。大きなサイズのハイヒールを履き続けると外反母趾になります。革は足が慣れるのに時間がかかるのです。花緒も同じです。
ついでに日本の履物は水虫にもなりにくいです。夏だというのにブーツを履くお姉さん方 ファッションよりも健康です。見ている人も暑苦しいです。着物は着ている人は地獄のような暑さを感じていても 周りの人は涼しく見えるんです。そこがみそです。
ところで 男性も外反母趾になるそうです。ハイヒールが悪いということではなく、要は足の形にあっていない靴を履くのがよくないのだそうです。そうなると益々日の本の履物はすばらしい。
草履や下駄や雪踏を普段から履く人は親指と第二趾の間 つまり前坪で挟む所に隙間ができます。こうなるとこっちのものです。水泳選手に水かきができるのと同じです。それでも雨降りの時は注意です。花緒ずれがおきます。しかも年を重ねるごとに治りが遅い!


履物選び

台の形
履きなれない人は右近(ゴムつき)の下駄の方が履きやすいです。
右側の方は歩く時に前が下がります。これが足首を鍛えることにもつながります。花緒に慣れれば挑戦してください。

前緒や後緒をいれる穴は物によって違います。

台によって花緒のすげる位置が違う

上はMサイズということで買った下駄。こんなに位置が違います。
すっぽりいれないとけない靴と違ってアバウトなことは確かです。
最近は指の長い人もいるので前緒の位置が下になる傾向があるとか聞きました。


上の履物を履いてみる

花緒の位置によって履ける場合と履けない場合がある
向かって左は履けないのです。これ以上 入らない(-_-;)。
手を使かわないと履けないのも履けないのと同じです。
横から見たところ
前坪の高さが5ミリ違います。1番は履ける下駄です。ほとんどか変わらない感じですけど5ミリは大きいということですね。 2番は前坪をゆるくすればいいのでしょうか? 前坪ばかりを緩めると必要以上に前に力がかって歩きにくいし、早く前坪が傷みます。横緒の長さも調節しないといけません。 前坪が長いとかっこ悪いので、すでに挿げている花緒はどれも同じような感じです。