花緒の部分名称

前から見た花緒

花緒のぶぶ名称

下駄や草履に花緒をつける事を「花緒をすげる」あるいは「花緒を立てる」といいます。第一趾と第二趾ではさむ部分を「前坪」あるいは「先坪」といいます。元々は江戸での俗称みたいですが、現在では一般的になりました。
○立は花緒の太さをあらわす専門用語です。花緒は着物と同じ鯨尺を使用します。お店によっては曲尺を使うところもあります。三立 三半立 四立 四半立 五立 五半立 六立 となります。センチになおすとどれぐらいになるのかは現在不明です。
すげる前の花緒

上の写真は草履に立てていた花緒を抜いたものです。だいぶ崩れていますがお許しください。上の写真のように二つをセットにして、前緒と後緒をそれぞれ結んで、前緒に前巻(商標)をつけます。昔は前巻を見てお客は買いました。
『鼻子』 (はなご)と称する人もいます。ちなみに 呉服屋さんから最初にこの言い方を聞きましたが、調べてみるとこの名で呼ぶ地域が確かにありました。
横緒の名の由来ですが、すげてしまった花緒ではよくわかりませんが 後緒を離すと横になります。芯が入っているので真一文字という事ではないですが広がるのです。
昔の花緒は足の側面から側面に巾広のものを渡しただけで今のようになったのは室町時代のころと文献にあります。この二つが横緒の名の由来かもしれません。


花緒の中はどうなっているのか

芯縄、芯布、紙、綿がはいっています。
芯縄は見えています。化学製品という物がない時代には麻を使いました。様々なものを使った結果 麻が一番適した素材ということになりました。現在は専門家でも意見が違います。ナイロン糸の方が強いです。それで麻とナイロンの混合糸を使っている人もいます。安物はナイロンの紐です。
紙も職人さんによっていろいろです、最近は紙が高く、便利なものも開発されています。やわらかいプラスチックを使うなどいろいろあるようです。
綿をいれない花緒もあります。綿を入れる花緒は麻と同じで、綿が高価になっているので、化学繊維の綿を入れている花緒もあります。


花緒の大きさ

横緒の丈は1尺1寸から1尺2寸ぐらいの布から作ります。1尺(36センチ)の長さがあればできます。男物の方が女物のより少し長く作ります。
下の表は生地の裁ち巾と出来上がりの寸法を記したものです。花緒には細工物といっていろいろな形があります。これは丸花緒の寸法です。一枚の布の端を縫い合わせて筒状にし、芯縄と紙と綿を入れた花緒です。

出来上がりの巾 尺貫法 出来上がりの巾 ミリ 生地の裁ち巾
1寸3分 11ミリ 三丸
1寸4分 15ミリ 四丸
1寸5分 19ミリ 五丸
1寸6分 23ミリ 六丸
1寸8分 34ミリ 六丸

花緒は細い方が作るのが難しいです。
現在は15ミリから23ミリぐらいの巾が多いです。
11ミリはかなり細い花緒になります。
下の写真のブルーの花緒が丸花緒じゃないけど15ミリの太さです。下と比べると細いと感じます。台から抜いてしまったのでわかりにくいですけど。
綿の入っている花緒と綿の入っていない花緒とでは綿の入っている花緒の方が太く感じます。つまり平らな方が細く見えます。

花緒の巾を比べた図

太物の流行の時は3寸とか4寸というのもあったようです。11.5センチ以上はあります。太めとおもっている花緒は歴史では並みの太さなのかもしれません。

履物の選び方

下駄 草履 雪踏は花緒のすげれるお店で買いましょう。

花緒ずれがおきる位置花緒挿げ技能士という人がいます。基本的にそうした人がいるお店で買いましょう。 花緒ずれになるのは『前坪』や『横緒』があっていないのを無理に履くからです。 ゆるすぎるのは逆に危険です。お天気予報が簡単にできるのはゆるすぎます。
上手な人にすげてもらうと何かの拍子に後から蹴られても脱げません。履いていないみたいに足に吸い付きます。なじみのお店をみつけることです。 慣れてない人は革の花緒より布の花緒にする方がいいです。花緒には歴史があって 花緒にするのに適した布というのがあります。足の為にはちょっと奮発して良い花緒を買ってください。
日の本の履物で外反母趾は考えられませんが 流行の『なま足』でハイヒールを履く人はすぐ靴擦れになるので大き目のサイズにしている人がいますね。大きなサイズのハイヒールを履き続けると外反母趾になります。革は足が慣れるのに時間がかかるのです。花緒も同じです。
ついでに日本の履物は水虫にもなりにくいです。夏だというのにブーツを履くお姉さん方 ファッションよりも健康です。見ている人も暑苦しいです。着物は着ている人は地獄のような暑さを感じていても 周りの人は涼しく見えるんです。そこがみそです。
ところで 男性も外反母趾になるそうです。ハイヒールが悪いということではなく、要は足の形にあっていない靴を履くのがよくないのだそうです。そうなると益々日の本の履物はすばらしい。
草履や下駄や雪踏を普段から履く人は親指と第二趾の間 つまり前坪で挟む所に隙間ができます。こうなるとこっちのものです。水泳選手に水かきができるのと同じです。それでも雨降りの時は注意です。花緒ずれがおきます。しかも年を重ねるごとに治りが遅い!


履物選び

台の形
履きなれない人は右近(ゴムつき)の下駄の方が履きやすいです。
右側の方は歩く時に前が下がります。これが足首を鍛えることにもつながります。花緒に慣れれば挑戦してください。

前緒や後緒をいれる穴は物によって違います。

台によって花緒のすげる位置が違う

上はMサイズということで買った下駄。こんなに位置が違います。
すっぽりいれないとけない靴と違ってアバウトなことは確かです。
最近は指の長い人もいるので前緒の位置が下になる傾向があるとか聞きました。


上の履物を履いてみる

花緒の位置によって履ける場合と履けない場合がある
向かって左は履けないのです。これ以上 入らない(-_-;)。
手を使かわないと履けないのも履けないのと同じです。
横から見たところ
前坪の高さが5ミリ違います。1番は履ける下駄です。ほとんどか変わらない感じですけど5ミリは大きいということですね。 2番は前坪をゆるくすればいいのでしょうか? 前坪ばかりを緩めると必要以上に前に力がかって歩きにくいし、早く前坪が傷みます。横緒の長さも調節しないといけません。 前坪が長いとかっこ悪いので、すでに挿げている花緒はどれも同じような感じです。

花緒の調節

花緒の加減をみる。あくまでも目安です。本当は履いて調節する。

図のように手をいれてみる

<写真のように手を入れてください。もし手が入らなかったら履けないと思います。
手が入れられても履けない下駄はここから動かせないのです。
履ける下駄は前坪に向かって移動できるので 前坪が立っています。
下の台が見えないぐらい前坪近くまで入ります。
前坪の高さつまり親指と第二趾の間の厚みが手の厚みとほぼ同じということらしいのです。
塗りの下駄は指紋がつくのでお店の人にはいやがられるかもしれませんのでご注意ください。

手をいれたら花緒がゆるゆる

横緒の方は見るのが難しいです。
写真はゆるゆるの花緒なのでわかると思います。
横緒は伸びる事も考慮にいれます。丁度いい花緒の加減があれば手を入れてみてその感覚を覚えておくといいです。


履物を買うときの注意点

 

花緒が調節できる下駄 
裏側を見て花緒が調節できるかどうかを見ます。

履物編 安物買いの銭失い

安物の履物は前緒を結んだ後に短く切っているものがあります。
全く信じなれないことです。長いと始末に時間がかかるのか理由は知りません。
親切なお店は前坪だけを交換してくれます。というより結べなおせないので取り替えた方が早い。
下駄の場合は花緒のほうが寿命が短いです。つまりいろんな花緒を楽しめるのです。花緒だけ変えてくれるお店は少ないので悲しいことです。
ときどき台の方の作りも良くないので 花緒を抜くと台が死ぬようなものもあるそうです。簡単にごみにしたくない人はちゃんとしたお店で良い物を買うのが一番です。

前つぼの裏側
左は前緒を残していない草履です。セット物の喪服の草履です。
右は長くはないけど結び直すことはできます。
お店であけて確かめる事もできません。その場で挿げてもらうのが一番です。


近頃の浴衣の季節に売り出していた履物

 

花緒がゆるいサンダル
こんなサンダルが売っていました。後緒が台の横についています。このサンダルの花緒は正直言って意味がありません。前坪をしっかり挟んでいないと歩けません。
横緒がきいていないから台が地面についたままなんです。階段ではずるずる、道路が平らじゃないとバランスが崩れて 足を捻挫するかも・・・。

 

足をあげても台が地面についたまま
上と下を比べてください。足に力を入れて踏み込んだ時と考えてください。

 

台も上がるから歩ける

下駄は台が浮いてくれるのです。歩く時にここまで踵をあげないと思いますけど。台が上がるから ちゃんと歩けるんです。台の木はしっかりしてますけどね。売る人も自分で歩いてから売っているのかなと思ってしまいます。私が購入したわけではありませんが、お店には花緒だけ交換希望の人もいたそうです。ということはちゃんと履ける人もいたのか・・・。ずるずる歩くのがうまい人もいるのか?

足をあげても台が地面についたまま