長襦袢の関西式と関東式

衿が違います。
  1. 関西式は長着の衽に相当する立衿があります。
    • この違いによって関西式の方が身巾が広くなります。
    • 衿の着崩れが小さい。
    • 関西式には地衿の生地が別に必要になります。
  2. 袖の形も違うようです。
    • 関西の無双袖では袖口を毛抜きあわせにする方が多いと思います。
    • 袖口を振り口と同じように裏をひかえるとその分表生地が多く必要になります。
    • 袖の形でどちらが良いとか悪いとかはないと思います。
関西式と関東式
左 関東式長襦袢 右 関西式長襦袢

袖口に注目裏側が袖口の出来上がりよりすこし内側にひかわっています。写真にないですが 振り口も同じです。袖口にうっすらと濃いピンク色が見えます。裏側の方が少しだけ表に出ているのです。髪の毛一本ぐらいだすという意味で毛抜きあわせといいます。振り口は裏側ができあがりよりひかえます。この襦袢はもともと振袖長襦袢です。女物の場合は長襦袢の袖は着た時には 表より裏の方が見えるので裏側におしゃれをするのです。

 

長襦袢の袖口
無双袖の見本1
長襦袢の袖 振り口
無双袖の見本2

毛抜き合わせ 2008.12.28改編

着物用語や国家検定において『毛抜き合わせ』は表と裏を縫い合わせて同じ分量きせをかけて折ることをいうとなっています。ですので世間一般では上記記載は間違いとなります。しかし 私の習った学校では、長襦袢の袖口や羽織やコートの袖口は髪の毛一本だして毛抜き合わせといっていました。裏を表と揃えるのを「つきあわせ」といっていました。国家検定を勉強する時には、この問題は学校では○、検定では×あるいはその逆といったことを学びました。他にもこのようことがございます。
裏側をなぜ少しだすのかということになるとお返事できません。私の習った学校ではそのようになっていたからです。あえていうなら、少し裏側がでている仕立てがきれいだから、そして裏が少しでていると表が汚れにくいとかの理由が考えられます。
香川県の方からお問い合わせで毛抜きあわせの記述が間違っているのではないかというご指摘がありました。すっかり上記のことは忘れておりました。お礼のメールを返信しようにもメールアドレスの記載がありません。もしよろしければ ご一報ください。

女物関西式長襦袢の衿

関西式の長襦袢には二つの衿があります。一つは半衿を付ける地衿、もう一つは立衿です。この二つの衿があるのが関西式の特徴です。ここでは地衿の仕立て方の説明です。

関西式女物長襦袢の図

衿芯が三種類ある

  1. 着る時に半衿と地衿の間にいれる衿芯。
  2. 半衿と同じぐらいの大きさで綿の帯芯のような生地。(10センチ×100センチぐらい。)
  3. 17センチ×1メートル50センチぐらいの大きさで綿の帯芯のような生地。

1番 衿芯

衿芯
衿芯の例

厚い衿芯や模様のない衿芯などいろいろあります。2番目の方法で縫った場合はこの衿芯は使わないと思います。使う人は かなり硬い衿が好きな人です。

2番の衿芯を使う地衿の縫い方

最初に長襦袢の表生地や晒を使って地衿を縫います。棒衿つまり 一定の衿巾で仕立てる場合が多いかもしれません。その上から 半衿と同じくらいの大きさの衿芯(つまり2番)を縫いつけます。その上に半衿を縫いつけると完了です
この方法は 長襦袢の表の生地が多く必要になります。背の高い人だと衿生地が不足するので 半衿で隠れる部分は晒で代用したりします。下の長襦袢は表生地でつかっていますが、背中心でついでいます。そうしないと生地が足りなかったと思います。

↓ 地衿が長襦袢生地で衿巾は一定、横にある白いのが2番の衿芯で半衿と同じぐらいの大きさ。

土台の衿は長襦袢の表生地と同じ

 

↓ 上の長襦袢に2番の衿芯をつけた写真です。そして この上に半衿をつけます。

上の長襦袢の衿に芯をつけた

3番の衿芯を使う地衿の縫い方

衿芯を地衿として縫います。多くの場合は 半衿より下の部分は 長襦袢の表生地から衿先布をとります。衿芯に衿先布を縫いつけてから 地衿として縫います。衿型は「ばち衿」が一般的です。

↓ 2番と同じ長襦袢ですが 3番の方法に仕立て直しました。衿先布が付けてあり、2番の衿芯を中にいれて仕立てています。通常3番の方法では2番の衿芯は使いませんが、2番の衿芯があまります。あまっても何もできないので、中にいれて仕立てました。2番の方法のように地衿の外側にもう一度衿芯を縫いつけるのはごろごろするので あまり好きではありません。 この上に半衿をつければ完了します。写真ではわかりにくいですが ばち衿になっています。

衿芯をつけた場合

私の習った方法
3番の方法です。縫う回数が多いので、2番の方法は手間がかかると感じます。

 

女物長襦袢 えもん抜き

女物長襦袢の衿について(えもんぬきを付けるときの注意点)

着付けがうまくなれば, えもんぬきがなくても 衿はぬけるようになります。
えもんぬきは大きく分けて2種類あります。衿肩周りに縫い付けるタイプ と 背中と腰の間ぐらいの位置に紐とおしをつけるタイプです.

衿肩周りに縫い付けるえもんぬきの注意点

1.長襦袢と同じ生地で作ることはほとんど不可能です。反物の丈が足りないからです。木綿の白生地で作ります。市販もされています。大きさはいろいろあります。夏は長着が透けているので白色のえもんぬきがうつります。長すぎてお太鼓の下からの見える物もあります。 絽や紗の長襦袢にこのタイプのえもんぬきは付けない方がいいです。

衣文ぬきの説明

紐をとおしだけのえもんぬきの注意点

背縫いの負担が大きくなります。単衣長襦袢では背縫いの周りは一枚だけの生地です。ひっぱりすぎるとやぶけますので付ける時には補強の布も同時につけましょう。

背縫いに通すところをつける

衣文抜き 見本


衣紋ぬきの巾

衿に縫い付ける衣紋ぬき

衣紋抜きは巾が広いと衿肩周りがなだらかになり 巾が狭いと尖ったかんじになります。衣紋抜きの巾が2寸5分(9.5)だと右側。2寸(7.5)以下の巾だと左側。腰ひもを通す部分がありますが、ないタイプもあります。その場合は下からひっぱります。市販の衣紋ぬきは大抵 腰ひもを通す部分があります。衿をたくさんぬきたければ 高い方に腰ひもを通せばいいです。

衣文抜きの巾で ぬき加減が変わる

 

着物は前から紐をかけて、後ろで交差させて、前で結ぶのが基本。紐とおしのある衣紋ぬきは最初に腰紐を通しておいて、前で紐を交差させ、後ろ側で結びます。その後 伊達締めを結びます。
私の好みは広巾です。衣紋ぬきは木綿の白生地。紐とおしは白の綿テープを使用します。

衣文ぬきがある場合の紐結び

腰紐の巾が1寸ぐらいと検討をつけています。全体の長さが市販で1尺7寸あるのもありますが、それはお尻をはるかに超えてしまうので長すぎると思います。せいぜい長くても1尺5寸で止めてほしい!! 女性の背丈は1尺(約37)ぐらいです。
市販の衣紋抜きには出来上がった長襦袢に安全ピンでつけるのもあります。私としては安全ピンは間に合わせの急場しのぎ。長襦袢は薄い生地が多くので できるだけ 衿と長襦袢の間に入れて縫いこむ方がいいです。

 

衣文ぬきはまっすぐにする

 

衣紋ぬきは図のように歪んだ状態ではいけません。伊達締めを締める前に姿見で衣紋抜きがまっすぐになっていなければ 下を持って まっすぐにします。

このまま着ると 着心地は悪いし 衿がきれいに沿わないし 碌なことがありません。

衣文ぬきが細い

 

巾は細くて 丈が長い衣紋ぬきです。この衣紋抜きは両端を折ってステッチをかけているだけです。つまり一枚の生地 和服風にいうと単衣です。このほかに 袋状にして中には芯がはいっている衣紋ぬきもあります。そちらの方がしっかりしていいて断然いいです。衣紋抜きは着ているとくちゃくちゃになるからです。

衣文抜きに紐を通す位置


ある着付けの先生のお話から作ってみた衣紋ぬき
ある時 着付けの先生が 衣紋ぬきについてお話しされました。その教室ではこのページの中ほどにある ゴムがついた小さな衣紋ぬきをつけるようにしている。理由は茶席などで正坐をしておじぎをすると ゴムがついていない衣紋ぬきではつっぱって深くおじぎができないというお話でした。衿肩周りに縫いつける衣紋ぬきがついていたら はさみで切るというのです。この説明は最初から疑問符??? j着物は長襦袢だけ着るわけではありません。その上に長着を着て、帯を締めます。その理屈がほんとならば 長着にもゴムが必要になるんじゃないのと思いますが 実際に試していないので 衣紋抜きの下にゴムをつければ同じことですから つけてみたのがこの衣紋抜きです。着比べてみましたが だからどうだという感じで あってもなくても変わりません。

 

手作り衣文抜き

 

ゴムと絹製品を一緒の引き出しに保管していて 絹製品の方に難がおきたという報告例もあるのです。今は何もおきていませんが・・・。

衣紋は着ているとそのうちぬけるようになりますので 気楽な気持ちで着てください。