初級編2 衿肩周りの男女の違い

繰越 付けこみ

 

男女の着物後ろ姿 注目は衿

着物の衿肩周りはその着物一枚だけがよくても意味がありません。長襦袢と長着の衿肩まわり、その上に着る羽織やコートの寸法が対になっていないといけません。この部分の形や寸法が極端に違うと綺麗に着れないのです。男性は首にそわして着るので体のカーブにあわして縫うだけです。女性は衣紋をぬくので肩山より後ろ側に衿が付きます。

男女の衿肩回りの違い

衿肩明きは首のはいる位置と考えるとわかりやすいです。衿肩明きは男女共同じ寸法です。付けこみは衿の縫い代と考えます。女物だけが繰越があります。子供は衣紋をぬかないので男物と同じです。

初級編3 体の採寸方法

着物の為の採寸方法

裄の測り方

着物の裄を測るときは腕を水平にあげる
腕を肩まで水平に上げる。首の中心がら手首までを測る。第七頸椎から尺骨(小指の下にある手首の骨)までです。図のようにまっすぐにして測ったのち指先の位置を10センチぐらい下げてください。同じように裄を測ります。水平にしても下げても裄の長さが変わらない人はそれが裄寸法です。
水平にして測った時と10センチ下げた時とで長さが変わる人がいます。下げた時の方が長くなります。このような人は水平の時の裄寸法で仕立てると裄が短くかんじることが多いです。水平で測った裄寸法ではなく、下げた方の寸法を採用してもいいです。

洋服と着物の裄の違い

洋服は肩巾と袖巾をべつべつに測ります。着物は背の中心から手首までを測り、その寸法を肩巾と袖巾に分けます。ほんとうの肩の位置は無視します。もし本当の肩巾で着物を作ると 袖の布だけとても広い布にしなければなりません。

水平にしたほうがよい理由。

  1. 洋服は袖が長いと袖まくりができますが、着物は袖まくりができない服なのです。袖まくりができないということは長すぎると洗面所で手を洗う時 袖口にたくさんの水が飛ぶのです。こうした日常のなんでもない動作が繰り返されると袖口は洋服よりも早く汚れます。
  2. 袖口や振り口が広く開いているので、ドアの取っ手にひっかかったりします。こういうことから 洋服のジャケット感覚で裄を決めないというのが 私の考えです。
  3. 裄を広くすると羽織やコートは長着以上に生地巾が必要になります。長着のことだけを考えて着物を作るのではなく、上に着る着物のことも考慮して裄を決めた方がいいと思います。

裄の換算表

分/尺 1尺5寸 1尺6寸 1尺7寸 1尺8寸 1尺9寸 2尺0寸
0分 56.8  60.6 64.4 68.2 72.0 75.8
1分 57.2  61.0 64.8 68.6 72.4 76.1
2分 57.6  61.4 65.2 68.9 72.7 76.5
3分 58.0  61.7 65.5 69.3 73.1 76.9
4分 58.3  62.1 65.9 69.7 73.5 77.3
5分 58.7  62.5 66.3 70.1 73.9 77.7
6分 59.1  62.9 66.7 70.5 74.2 78.0
7分 59.5 63.3 67.0 70.8 74.6 78.4
8分 59.9 63.6 67.4 71.2 75.0 78.8
9分 60.2  64.0 67.8 71.6 75.4 79.2

身巾の測り方と身巾の決め方

理想は長襦袢を着て測ります。着物は下半身全体を覆った寸法を測る方がより全体の身巾を正確に測ることができます。ただこの寸法は立ている状態の寸法になります。ここに動作や姿勢を考慮する必要があります。
茶道など正座をする人 踊りなどをしている人は比較的 身巾そのものを少し大きめにしたり、前巾を広くしたりします。女性の標準寸法は後巾8寸前巾6寸5分 男性の標準寸法は後巾8寸前巾7寸です。お店によって多少の違いはありますが、この前後です。標準寸法の詳しい説明は次のページをご覧下さい。

着物の身巾を測る時

着物の身巾を測るときの理屈

身巾の測り方

縦80cm 横110cm以上の紙を用意してください。柔らかい布より融通のきかない紙の方が一番広い所が測れます。

紙を胴回りの後ろに沿わす

紙を筒状にまきつける採寸する

女性の場合 このように測って 100cm になると 標準寸法 後巾8寸 前巾6寸5分 となります。

初級編3 着物の裾の位置

長着の裾位置は 後ろからみて大きく三つの位置がある。
    1. 足袋が見えない。
    2. 足袋が見えるが足は見えない。
    3. 足袋の上 足が見える

3番は短い着方です。普通はしないのですが 「今日は雨」だとか、レンタルや古着の着物では そのような裾位置で特に気にすることなく着ている人がいます。長襦袢は長着から見えないように着ます。

着物を着た女性 後ろ姿
↑の着物はちょっと短めに着ています。
後ろから見ると足袋がしっかり見えています。四枚こはぜです。全景を撮るために 少し離れた所で上から撮った写真です。

一般的に足袋のこはぜは四枚と五枚があります。五枚こはぜは慣れないとちょっと足首が痛くなる場合もあります。たいていの人は四枚こはぜです。

↓ 上写真の裾位置で 真横と真後ろから写真を撮とりました。これぐらい裾をあげて着ると前はあげないで着ます。この位置から前をあげると上げすぎになっておかしいです。

裾位置の写真

↓ 下に着ている長襦袢の裾位置と比べるとこんなふうになります。長襦袢よりも長着が少しだけ下に着ているのがわかると思います。この着物は これ以上短く着れません。もし短く着たかったら長襦袢の裾位置をあげてから着ます。

着物と長襦袢の裾位置


礼装の時の裾位置

女性が正装や礼装を着る時は 後ろから見た時に足袋が見えないように着ます。前は少し上げます。そうしないと歩きにくいし危険です。足の甲にすれすれにすると前は自然に上がると思います。上前の方を少しあげるとより歩きやすくなります。前から見るとちょっと斜めになります。(腰紐をしっかり結ばないと いつの間にか下がったりすることがあります。)床すれすれは写真に撮りにくいので 草履を履いて真横から撮りました。 ↓

礼装の裾位置

↓ 次に最初のちょっと短めという裾位置と比べてみます。手前が礼装用です。この裾の差は長さにして約1寸6分(6cm)の差があります。

短めに着た裾と礼装の裾位置

↓ 長襦袢は同じ物を着ていますので 礼装用の裾位置が手前 奥が 長襦袢の裾位置です

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礼装というのは足(足袋)を見せないというのが基本にあります。この位置で着ると ちょっとした動作で裾が地面や床にすれるのです。この事は頭にいれて行動した方がいいです。
長襦袢は長着の裾を汚さないようにする役目があります。「礼装用の長襦袢丈は長めにします。」というのはここからきます。でも よーく考えると 長襦袢が長着の裾の汚れを防ぐけど 直接 床や地面につけば 汚れるのは同じです。できるだけ 汚したくなければ 草履の高さを高くして、 きれいな道を歩くことです。 着ることに慣れるこれが大切です。
ちなみに 写真の草履の高さは一番ノーマルな高さで 4センチに少したりないぐらいです。

女性の長襦袢は長着のようにお端折りを作りません。長襦袢を着る時 衣紋を抜くのと抜かないので 長襦袢の裾位置が変わります。長襦袢の身丈は肩からの寸法を測るのがいいです。


おすすめ裾位置

管理人独断 おすすめ裾位置

正装や礼装の場でないのならば 上の写真の右側ぐらいで着るのがいいのではないかと思います。こういうことは 何センチというのではなく 各自の感覚でいいと思うのです。着る時にものさしで測って着るわけではありませんので。

大変残念なことですが お店側は少しでも売り上げを伸ばしたいので 「礼装用とおしゃれ着用を区別して仕立てることが必要です。」とか「礼装用をおしゃれ着では着ません。」などと説明するお店があります。着るのは自分です。たとえ店側に自分の持っている着物を全部さらけ出したとしても あれこれと理由をつけて もう一枚着物を買わそうとしむけるわながあります。怖いですね 恐ろしいですね さようなら さよなら さよなら

長めに着た裾位置ここで一句
売る側は 着る人のこと考えて!
着たい人 着物あきない 参考に
絹をまといて ほくそ笑む
お粗末でした。