丸染め 4

丸染めをされた方は着物の知識がない方でした。お店の説明はメリットだけで 、デメリットの説明はなかったと聞いています。このことがあったので 私のホームぺージに掲載する許可をくださいました。この着物は丸染め前に二回 染めてから二回着たということです。丸染めをした直後から裾の部分はあのような状態だったと思いますが、証拠はありません。4回着ただけで、横とじ部分にあのような裂け目ができるのかと問われると ノーと答えます。
縮んだ生地をもとに戻すために 着物の形のまま無理やり伸ばす行為を 高度な技術といっていいのでしょうか?
ネットで検索している丸染めを行っている一つのお店が 「2006年から2007年ごろ」にはじまったようなことが掲載されています。昔から染替えるならば着物をほどいてから染める方法が常道です。着物のまま染めて問題がないのなら もっと昔からさかんに行われているはずです。広まらないということはそこに何らかの問題点があるからだと思います。水を使わない丸洗いはありますが、着物を染めるのに水を使わないわけにはいかないと思います。
物事には順序があって 省略して良いことと悪いことがあると思います。昔 着物の補正をしている人から  「着物は水につける瞬間が一番緊張する。」 と聞きました。
糸がほどけたり、切れたりしても 縫い直せばいいことです。生地が完全に破損されると再生不可能です。生地を織る時の打ち込みがあさいから 目われがおきるといいます。でも 何回も着れば 力のかかるところは破れてきます。補正で直すのは限度があるから 仕立て替え、つまり 前後の身頃を交換したりするのです。すべての部分が無理やりのばされたとなれば なおせるのかどうかもわかりません。この色無地はこのまま着る、これ以上は手をつけないと持ち主が決められましたので 着物をほどいた写真は撮れませんが 今までの写真だけで十分 生地が傷んだことはわかります。
多少、縫い目のツレや、縮みが出ます と説明しているお店 これが多少でしょうか?丸染めをされた方は 同じようなことがおきていませんか?おきていなければ 運よく もともと丈夫で 縮みの少ない生地だったのです。。
横とじの縫い方は普通の並縫いとは違います。横とじのない袖底の裏側にはなにもありません。丸染めをどうしてもしたかったら袷ではなく単衣の方がまだいいです。
この色無地は呉服屋さんを通して行ったものです。請け負った呉服屋さんに責任があります。この仕上がりを知っていて、だまって料金をもらったのか、見てもこの仕上がりが悪いとわからなかったのか、全く見ていないのかそれは不明ですが、どちらにしろ最低なお店だと思います。

少々何がおきてもいいから丸染めをしたいという方は丸染めする前に寸法を正確に測っておくことと 紹介したような部分を写真に撮っておくことをおすすめします。
たとえ 箪笥の肥やしになっていた着物でも 何十年たてば 自然にほこりにさらされます。私の経験でいいますと 長ーく着ていなかった袷の着物をほどくと袖の丸みの部分にや裾にほこりがたくさんあって、着物一枚ほどいたあとは、咳がでたり、鼻がこそばかったり、のどがいがいがするのです。めったにほどいて 洗ったりしない着物ですから、染め替えを期に、全部きれいにした方がいいのではないかと思います。着物をほどかない呉服屋さんには実感がないのでしょうね。そして この色無地は丸染めに適した着物かどうかを判断できる目を持たないとたいへんなことになるということの見本です。

染め替える時のアドバイス

染め替えが成功する秘訣をお教えします。期待しないことです。実は染め替える色の選択はとっても難しいことです。自分がどんな色が似合う人間なのかよくわかっていないと色の選択を間違えます。 見本帳を見ても その色があるとは限りません。希望の色に染めたとしても 頭の中の想像と現物とは違うことの方が多くあるのです。
染め替えれば生地は弱ります。漂白する方が弱りが大きいです。元の色を基準に、傷みにくて、気に入る色を探すのです。派手なのを地味にしたいとか、汚れがめだつので、目立たないようしたいとか染め替えの理由いろいろです。どんなにこの色にしたいと思っても、元の色とそのほかの生地の具合を考えれば、希望どおりの色というわけにはいきません。出来上がりの期待度は7割ぐらいにしておいた方がいいです。
染めてほしい色があったとしても 生地をもっていかないと 染められません。色鉛筆で紙に色をぬっても 染屋さんは困るのです。以前 紙に色をぬるといいましたが、呉服屋さんがそれでは受け付けてくれませんでした。それと 見本の色より少し薄い色とか濃い色とかいっても なかなかそのとおりにはなりません。色の本もあります。CMYBとか色の三属性の数値とかはありますが、実際に染める場合には 生地に染まった見本が一番いいみたいです。