和裁初級2 着物の裁ち方2

着物の特長

着ると生地が汚れたり傷んだりするのは避けられません。そこで傷み具合に応じて 仕立て換えを行います。しかし 最初から仕立て換えできるように裁っておかないとできません。 ※内あげから下を裁って天地がえをする場合は衿肩明きは関係ありません。ここに紹介するのは一番最初に考える仕立てかえのことです。

着物で一番傷みやすいのはお尻から裾までの間です。昔は必ず正座をしていましたし普段着では前身頃のひざあたりがすりきれたりぬけたりしました。洋服でも同じですが長く着ていると両肩の所が薄くなってきます。着物でも同じように肩部分が弱くなります。それで単衣の着物では肩当てをつけて補強しました。仕立て換えのポイントは生地が完全に傷んでしまう前に行う事です。糸だけがぬけたり 切れたりする事はさほど問題ではありません。縫い直せばいいのです。しかし生地そのものが損傷するとなおすにはお金がかかります。着た後に風をとおし箪笥に納める前に生地の具合を見ましょう。お尻の部分を重点的にまた 男性は洋服を着ている時のように足を広げがちです。広げると傷むのも早いと思ってください。


図で見る仕立て替えの例

着物やりくり


上記仕立て替えの方法

着物の前後をいれかえる方法
やじるし
脇で広げた図
やじるし
掛け衿と地衿をとる
やじるし
上前衽をとる
やじるし
下前衽をとる
やじるし
身頃を回転させる
やじるし
前身頃だったのを後身頃に 後身頃が前身頃に
やじるし
上前衽だったのを下前衽に
やじるし
下前衽だったのを上前奥にに変更する
やじるし
衿をもとにもどす
やじるし
wasai-syo2no11

 

和裁初級2 繰越しと切越し

かなり専門的なことです。衿肩明きの裁ち方で着物が長く着れる可能性があります。
女性と男性では衣紋をぬく、ぬかないの違いがあります。内あげをつくる理由を三つあげていますが、くりこしときりこしにも関係があります。
この他に 肩くりというのもありますが、私の仕立て方は基本は直線裁ちの衿肩明きなので肩くりの寸法はありません。

  • 衿肩明の裁つ位置をあらわしています。衿肩明は首のはいるところです。
  • 女性は衣紋をぬいて着ます。衿が肩山からそれぞれの人の好み分、後ろ側につけます。
  • 男性は首に沿わして着ます。衿肩明と肩山が同じ位置になりつけこみ分だけ後ろ側に衿をつけます。
  • 男物は繰越そのものがないので「くりこし」「きりこし」は関係ありません。
  • 衿は必ず首の後ろ側につけます。特殊な着物で肩山より前に衿がつく時もあります。その代表が時代劇や古典芸能などの衣装として登場する「被衣」です。歴史編3 衣紋をぬくで紹介しています。

くりこし

  • 全体の身頃の半分の位置に衿肩明を裁つ方法

きりこし

  • 全体の身頃の半分の位置を肩山にし,肩山から後身頃の方に繰越を裁つ方法

衿肩回りの男女の構造の違い
wasai-syo2no13


図で見るくりこしときりこし

くりこしときりこしの説明 衿肩あきのたつ位置

和裁初級3 地のし

地のめを整える

仕立て屋が縫う前に最初にすることが 地のしです。正絹はスチームアイロンでを生地の端からかけていきます。

  • 基礎編4 着物の外見構造の中で「きせ」について説明しました。実際に縫っている部分より少し外側が出来上がりの折り線になります。折れ線をきれいにすることを「きめる」というのですが、洋服のスラックスやプリーツスカートのラインをきれいにするのと同じです。
  • きれいな折り目をつけるのには水分 温度 圧力が必要です。クリーニング店のプレスと同じです。
  • 着物は折り目のところだけにプレスをかけるので、プレスのかかった部分の縦糸横糸がつまります
  • 生地によって 地のしをしてもほとんど変わらない物や 巾で1分~2分ぐらいまで縮んでしまう物があります。 経糸と緯糸の間隔が狭くなるからです。
  • 地のし厳禁のものもあります。生地の風合いなどが損なわれてしまう時があり注意が必要です。

地のしのイメージ