和裁初級2 着物の裁ち方1

裁ち方の種類

  • 長着の裁ち方は大きく三つに分かれます。体格に応じて必要な用尺が変わります。つまり大きくなるにつれて裁ち方が変わるのです。
  • お宮参りの産着を七五三用に仕立てなおす事も場合によってはできます。
  • 「袷の着物」と簡単に呼んでいますが、大人の女性が冬の時期に着る着物の正式名称は大裁(六つ身裁ち)女物袷長着ということになります。
小裁ち 一つ身 2才ぐらいまで着る
二つ身 一つ身とあまり変わらないが 背縫いがある
三つ身 3才~4才ぐらいまで着る
中裁ち 四つ身 5才~6才ぐらいまで着る
五つ身 四つ身より少し大きく作れる
大裁ち 本裁ち 六つ身 大人の裁ち方

大裁ち(六つ身)女物長着の裁ち方

大裁六つ身裁ち女物長着の裁ち方図

 

他にも裁ち方はありますが 基本的にはこのような裁ち方になっています。
他の方法とは 掛け衿を二枚取る方法。衽と衿を縦並びにとらない方法があります。生地に余裕がないとできません。

和裁初級2 着物の裁ち方2

着物の特長

着ると生地が汚れたり傷んだりするのは避けられません。そこで傷み具合に応じて 仕立て換えを行います。しかし 最初から仕立て換えできるように裁っておかないとできません。 ※内あげから下を裁って天地がえをする場合は衿肩明きは関係ありません。ここに紹介するのは一番最初に考える仕立てかえのことです。

着物で一番傷みやすいのはお尻から裾までの間です。昔は必ず正座をしていましたし普段着では前身頃のひざあたりがすりきれたりぬけたりしました。洋服でも同じですが長く着ていると両肩の所が薄くなってきます。着物でも同じように肩部分が弱くなります。それで単衣の着物では肩当てをつけて補強しました。仕立て換えのポイントは生地が完全に傷んでしまう前に行う事です。糸だけがぬけたり 切れたりする事はさほど問題ではありません。縫い直せばいいのです。しかし生地そのものが損傷するとなおすにはお金がかかります。着た後に風をとおし箪笥に納める前に生地の具合を見ましょう。お尻の部分を重点的にまた 男性は洋服を着ている時のように足を広げがちです。広げると傷むのも早いと思ってください。


図で見る仕立て替えの例

着物やりくり


上記仕立て替えの方法

着物の前後をいれかえる方法
やじるし
脇で広げた図
やじるし
掛け衿と地衿をとる
やじるし
上前衽をとる
やじるし
下前衽をとる
やじるし
身頃を回転させる
やじるし
前身頃だったのを後身頃に 後身頃が前身頃に
やじるし
上前衽だったのを下前衽に
やじるし
下前衽だったのを上前奥にに変更する
やじるし
衿をもとにもどす
やじるし
wasai-syo2no11

 

和裁初級2 繰越しと切越し

かなり専門的なことです。衿肩明きの裁ち方で着物が長く着れる可能性があります。
女性と男性では衣紋をぬく、ぬかないの違いがあります。内あげをつくる理由を三つあげていますが、くりこしときりこしにも関係があります。
この他に 肩くりというのもありますが、私の仕立て方は基本は直線裁ちの衿肩明きなので肩くりの寸法はありません。

  • 衿肩明の裁つ位置をあらわしています。衿肩明は首のはいるところです。
  • 女性は衣紋をぬいて着ます。衿が肩山からそれぞれの人の好み分、後ろ側につけます。
  • 男性は首に沿わして着ます。衿肩明と肩山が同じ位置になりつけこみ分だけ後ろ側に衿をつけます。
  • 男物は繰越そのものがないので「くりこし」「きりこし」は関係ありません。
  • 衿は必ず首の後ろ側につけます。特殊な着物で肩山より前に衿がつく時もあります。その代表が時代劇や古典芸能などの衣装として登場する「被衣」です。歴史編3 衣紋をぬくで紹介しています。

くりこし

  • 全体の身頃の半分の位置に衿肩明を裁つ方法

きりこし

  • 全体の身頃の半分の位置を肩山にし,肩山から後身頃の方に繰越を裁つ方法

衿肩回りの男女の構造の違い
wasai-syo2no13


図で見るくりこしときりこし

くりこしときりこしの説明 衿肩あきのたつ位置