花緒の名前

花緒の名称はお店によって違います。JIS規格のように全国共通にはなっていません。

昭和三十年十二月現在の大阪製花緒の名称
普通の花緒
丸物 坪通し 高原 先違丸
水引丸 根細丸
細工物の花緒
放レ二石 四石 ハス刷込 二本レール
放レ三石 五石 オサエ二石 三本レール
ねじ 水引 三つ編み 別珍二石
片捻 丹頂 三つ編み裏別珍 耳付放レ二石
むすび 片ハス 矢羽根レール三石 三石片編み
渡り捻 ヨーヨー 三ツ編み親子 文化折
三ツねじ 蟹ねじ レール入ねじ 放レ式二石
三ツねじ片三石 鍜ねじ 新三石文化 夫婦二石
内外レール(両国) ねじハサミ二石 親子二石
額二石 松葉 レール入放レ三石 羽衣二石
むすび親子 半月 折式耳付き二石 三階二石
ねじ親子 三笠 ペンテックス描絵 重平打
先違ひ二石 大星 外レール二石 寿立レール二石
三石式二石 四つ折 中レール二石 切ツギ
四ツ編 ハス裁ち 内レール二石 ※※※
明治 大正 昭和 大阪鼻緒變遷史 より
  1. 花緒の名前をどれだけ知っていますか?
  2. 大阪だけでも昭和30年これだけの花緒があったのです。
  3. おおよその形はわかるのですが 全く想像できない名前もあります。
  4. ネットで花緒が売られていますが、花緒の名前を丁寧に掲載しているお店は少ないです。売っているお店が無頓着なのか?名前を知らないのか?
  5. 昔は 需要があるし花緒職人さんが腕を競うので、多くの花緒ができあがりました。現在では手間のかかる花緒は敬遠され、作れる人がいない花緒もあるようです。
  6. 60種類ほどの花緒の名前が掲載されています。下駄を一つ買っても、下駄の台が履けなくなるまで何種類もの花緒を楽しむことができます。こんなに環境にやさしい履物が身近にあるのです。しかも健康にもいとよろし

 ハナオ上 ハナオ下

花緒の断面図

  1. 青の部分をハナオ下 赤の部分をハナオ上といいます。
  2. 花緒は厚みはいろいろですが 緑と黄色の部分があります。
  3. 緑や黄色の部分をハナオ上と同じ生地を使ったり、ハナオ下の生地で緑や黄色の部分を作ったりすることでさまざまな花緒ができます。

 小倉花緒

男物の下駄
明治初期から30年ごろまで、安くて丈夫で流行した花緒。小倉織という木綿で作られる。縦糸が通常の木綿の生地より密で、大変丈夫。中太から太い花緒。小倉織は袴や帯地に使われていたが、名古屋の業者が花緒として世に広めた。大阪ではあまり作られていなかったようです。ネットで見ていると黒か白の綿入りの花緒にその名がでています。流行当時は、柄入りもあったようです。写真の真偽は不明です。

高原 裏付き

花緒の名前 高原江戸時代からあった花緒。布地で作る花緒。 花緒の上や両側が同じ生地。
足の甲にあたる部分は別生地。 綿入れ、細くなると高原とはいわない。履いた時、上から見ると柄の部分しか見えません。 ハナオ上 ハナオ下の図からは 赤 緑 黄色の部分が模様のある生地 。青は黒色の天鵞絨で作っています。 前坪はハナオ下と同じ生地。
高原の見本

花緒の名前 額
ハナオ上がハナオ下にはさまれて 額にはいっているような形になっている。上から見ると両側が同じ生地。額は細工物とはいわない。
額の見本

のぞき

花緒の名前 のぞき
花緒を上から見るとハナオ下の生地が内側に見えている。これを『内のぞき』という、通常 外のぞきはあまりよく見えないのでのぞきといえば内側の方になる。この縫い方で両側にハナオ下の生地が見えているものもあります。比べると違いがわかります。両側にハナオ下が見えていると額というのかもしれません。
花緒の名前 のぞき

女物の革の花緒のよくある形

よくある 花緒 名前はよくわからない平で花緒を上から見るとハナオ下の生地が細く両側に見える。綿なし
革の花緒

三笠 みかさ

三笠花緒平で上から見るとハナオ下の生地が両側に見える。綿なし。上の花緒と似ているがハナオ下に縫い目が見える。三笠は手間がかかる。縫い目が甲にあたりそれを嫌う人もいる。
三笠花緒の裏側

丹頂

丹頂
ツルの丹頂から名をとった。写真の草履は前坪が赤、横緒が白、台は黒。ほんとに丹頂と同じは配色です。これが転じて前坪が赤く、その他が違う色ならば丹頂と呼んでいるかもしれません。
横緒はハナオ上が革 ハナオ下が輪奈天になっています。平たいので足には沿います。巾が太めなので履きやすいと思います。

放レ二石

放れ二石

大阪のメーカー「株式会社 山菱」というお店で買い求めた ””放レ二石””です。台に挿げる前です。出来上がったら前緒と後緒をそれぞれ括って 前緒の部分に紙をはります。そこに作ったお店の名前がかいてあります。

放れ二石 上から見た

上から見るとこのような事になります。前坪は輪奈天 横緒は上が牛革 下が輪奈天です。素材の違う横緒を二本 重ねています。これが三本になると 放レ三石になります。

下駄にすげたところ

 

今回は下駄に挿げてみました。
花緒の芯には麻が使われています。上等です。
挿げてくれた人に教えていただきましたが、麻はしっかり締められるのでゆるみにくいのだそうです。雨にぬれると台の底から水がはいり、麻の芯縄がきれてしまうこともあります。これは 芯縄が切れるまえに白の花緒が汚れるのではないかと思います。白は汚れがめだつ~。挿げ士も「上等や!」と褒めてくれましたが、たぶん仕事がしやすいからうれしいのではないでしょうか?

上から見るとこのような感じです。ところで白の花緒といえばお坊さんです。台が平凡だとほんとにお坊さんの履物になってしまいます。これでもお坊さんの履物に見えるかもしれませんが・・・・ 挿げる料金はそんなに髙い料金ではありません。今までの経験では200円から300円ぐらいです。お店によっては挿げ士が常駐されているわけではありません。履物屋さんというのは 台と花緒は別々に仕入れて 挿げ士の方にやってもらうというのが一番多いです。

放れ二石は 花緒ずれがおきやすく 素足で履く場合は よっぽど なれた人じゃないと困ります。