着物の柄2 柄に上下をなくす理由
- 着物は袖山、肩山で縫い目がありません。もし一方方向の柄しか描いていない時は 袖山と肩山を境に上を向く柄と下を向く柄ができてしまいます。
- 世の中 方向のある物はたくさんありますが、着物の構造上、後側の柄を上に向かせれば、前側は下を向きます。この事がわかっているので、柄の配置は向きをそろえないで描く場合が多いのです。
方向がある柄だった場合
もしも一方方向に柄が描いていて、柄の方向がよくわかるような時には 袖一枚だけ反対向きとか身頃片方だけ反対向きという配置にはしません。
上のように よくわかるような柄の時は混在させます。その方が前からも後からも公平になるので 違和感がありません。
後ろ側を木の生える方向にそろえておきます。前身頃の木は下をむきますが、 衽や衿が上を向くように仕立てる場合もあります。
衿と衽について
- 衿と衽は同じ生地をだいたい半分に分けて使います。反物の柄によって、衿と衽の柄が異なる場合があります。衽の柄の方が派手にするのが一般的です。
- 例えば一方が無地で、もう一方に柄がある時は、柄のある方を衽、衿を無地にします。衿の部分というのはすっきりしている方がいいのです。
- 短大の先生がちょっと乱暴ないいかたですが「立派な顔があるのだから衿はすっきりさせなさい。顔を見られたくないなら衿に目がいくようにごちゃごちゃさせなさい。」と説明されました。
- このようなことも多くの着物をみていると自然に納得できてくるので不思議です。