中級編6 色やけ

太陽光線や蛍光灯に長く着物がさらされることによっておきる現象です。絹は耐光性がきわめて低いのです。呉服屋さんは着物を長く光にあてないようにします。商品が店先に一枚もなかったり、風呂敷などの布を被せます。ほこりよけであると同時に光よけです。展示用と割り切った物もあります。 仮絵羽の着物は反物よりも色やけのリスクが大きくなります。仮絵羽の生地を折っている山の部分からおきます。 最初は薄い黄色ですが、進めば進むほど濃い色になっていきます。保存状態が悪いと反物でも色やけはおきます。反物の色やけは気がつきにくいです。
黄色ではなく黒い色になる場合があります。これは光によるものではなく、汚れがついてそこからどんどん黒くなっていくのです。この汚れを取るのも厄介なことなのだそうです。

色やけの見本

見本の写真は木綿の布ですが、色やけ前と色やけした物を並べた写真です。南側の窓に長年おいておいたのでかなりの色やけがおきています。写真の布は5年ぐらいたったころから色やけが目立ってきたように思います。薄い色でも濃い色でも色やけはおきます。ほとんど箱の中にあってお客様に見ていただく時だけぐらいしか 光にあたっていない場合でも 色やけがおきる時があります。
見本の写真をよくみると、小さくてわかりにくいですが、ミシンで周りを縫っています。ミシン糸は化繊です。木綿の生地が色やけしても化繊糸は全く色やけしていません。糸は色やけしにくいみたいです。
色やけを直すことを「すりあわせ」というそうです。高度な技術で 色やけをなおせる人が少なくなっています。

左側いろ焼けした生地 右側 色やけ前


仮絵羽の着物

仮絵羽はいろやけがよくおきる

赤い線が色やけのおきる場所です。最初は経方向におきて 次に横方向におきます。縦方向の色やけはほどいてみてみないとわかりません。袖山や肩山はほどかなくてもわかるので 少し平らにしてみれば発見できる場合があります。ただ 袖山や肩山にまで色やけがあるならば 縦方向にも色やけがあると考えて間違いありません。

実験 冬喪服布の色やけ

写真は2006年2月の最初から2006年9月19日まで南側のベランダに置いていた黒地の絹布です。布の左右を光があたらないようにしておきました。6月ごろに見た時には特に変化はなかったのですが、ひと夏こえると肉眼ではよくわかるぐらいに色やけがおきました。うっすらと「もや」がかかったみたいになっている部分が色やけの部分です。

喪服の黒生地のいろやけ

右の写真は10月24日一ヵ月後の同じ布です。色やけがきつくなっているのがわかります。


呉服店のお店の方角について

北半球の場合は一般的に南向きの土地の方が良いので値段も高くなりますが、呉服屋さんの場合、お店の玄関先に商品を展示するならば南向きや西日が入るのは最悪です。理想は北向きです。
ほとんど商品を陳列していないお店もあります。 反物の色やけ防止という理由があるので ご理解していただきたいですね。ひやかしはしにくいお店です。


購入後に色やけさせないようにするには

虫干しや着た後に風をとおす時に何も考えずに吊るしておけば色やけがおきます。 御服屋おかみ流 着物のお手入れなどの注意点、保存方法を参考にしてください。初級編7 着物の保管とお手入れ方法 >>

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