織物編12 お召

お召ちりめんの略です。糸の段階で精練染色し、織ります。緯糸にはお召緯(おめしぬき)お召糸(おめしいと)とよばれる糸を使用します。

特徴:

ちりめんと違って糸の段階で精練染色が行われますので、 練絹織物 であります。糸を染めてから織るので 先染め織物 でもあります。織ってから染色するちりめんとは明らかに風合いが異なりまが、布面に しぼ(凹凸) があります。

製法:

経糸は精練染色した 片撚り糸 または 諸撚り糸 を用い、緯糸に お召糸 という特殊な 強撚糸 の左撚り糸と右撚り糸を交互に織っていくのが基本的なお召の織り方。織り上げた後はちりめんと同じように湯の中でもんで「しぼ」をだし、その後 ゆのしをして仕上げる。ちりめんとの違いは 経糸の密度を比較的多くして 緯糸はちりめんの強撚糸ほど強くない糸を用いる為に腰があってしっかりしている。ちりめんほどやわらかくない。基本のお召は 平織 です。


お召の歴史

西陣で糸を染めてから織る縞縮緬が考案されて、徳川の11代将軍徳川家斉が好んで着用しました。名前の由来は 徳川家だけが着るお召し料としたことから始まり、現在は料の字が省かれてこの名になった。


お召の種類

織り方の違いによる名称
紋お召 :  平織 の地に浮き糸などの組織で模様をあらわしたもの
縫い取りお召 : 地糸のほかに金銀糸や色糸を別に用いて文様をだしたもの。
風通お召   :  二重織 に織ったもの。

色柄
縞お召(最初のお召) 絣お召 無地お召

糸の量や糸の種類
塩瀬お召 :普通のお召より重い
錦紗お召 :軽めできめの細かいしぼ
壁お召  : 壁糸 を緯糸に使って織ったお召
上代お召 :紬糸をつかったお召
駒お召 : 駒撚り糸 をつかったお召

糸の素材
正絹お召 交織お召 ウールお召

産地
西陣お召  塩沢お召 白鷹お召 桐生お召 など


好き嫌いの度合いはさまざまですが、一般的にお召は縫うのが難しいです。ちりめんなのかお召なのか区別がつきにくい反物もありますが、縫うと「これ お召か」とわかるのですから 違うのです。
個人的な感覚ですが お召は 縫う時の針の通りが独特です。ちりめんほどやわらかくなく ざっくりしていいます。何より 加減が難しい。単衣の方が裏と表のつりあいをみなくていいので楽です。袷は最終段階で「ありゃ!?」となる時があります。
糸の状態で精練染色して 撚り状態を糊でかためてから織っていきます。しかし できあがった織物はまるで生きているみたいで、絶えず糸が動いているのかと思うのです。それゆえ しわがよりにくいのかと思っています。一方 古いお召になるとどんどん風合いが変化して それはそれで 縫うのが難しくなります。 縫えば縫うほど難しいと思うのがお召です。
世の中にはさまざまな人がいますので、お召を縫うのが好きだという人もいるかもしれません。 そんなに縫うのが難しいと感じない人がいるとしたら うらやましい話です。
でも お召だけでなく羽二重も難しいです。