歴史編2 右前

正しい着方とその呼び方

右前 正しい着方

603年 推古天皇が冠位十二階制の中で中国の制度にならって右衽を取り入れる。うじんと読む
719年 養老3年元正天皇が右衽を公式にし左衽を禁止する
右衽は右前と同じ意味です。右前とは右前身頃の上に左前身頃を重ねる着方です。 洋服では同じ着方で 左前という為混同しがちです。

高松塚古墳の壁画には 左前に着た女性が描かれています。 日本にはいろいろな民族の人達が移り住んできましたし、好きなように 着ていたと思われます。公式に決まったとはいえすぐに浸透したわけではなく徐々に広まっていったようです。


間違った着方

生きてる人は間違った着方
左前に着ると「お化け」とか「死んでる」とか 母親に冗談交じりで言われました。 死装束を左前にして着るようです。生きている人が右前にするので反対に着せたのではないでしょうか?
建築の世界でも同じです。ふすま 障子 扉の重なり方が向かい合わせに見ると着物と同じように向かって右を高くします。右利きが多いからではないでしょうか。 家でお葬式をする時には 襖や障子を反対にして 終わったら元にもどす習慣もあったとか。気持ちの問題ですね。
右前というのが正しいのですが広辞苑第五版には『 相手から見て右の衽を左の衽の上にして衣服を着ること。右衽 』とでています。着物というのは左側が高くなるという構造です。それに従えば左側があとに重ねる事になります。つまり着ている人から考えて右側をさきにあわせる、すなわち右の方が前(まえ)にくる、左の方が後(あと)にくる。右衽というのは着ている人の右に衽が見えるように着るという考え方ではいけないのかな?と思ってしまいます。着方を説明するのになぜ第三者から見た説明をするのかな?と思うのですが・・・。文字数に制限がある辞書では相手からみての説明文が慣習のようです。


鏡を見て着る時の注意

鏡は逆に着ているように見えるので 錯覚しないようにきをつける和服は必ず鏡を見て着ます。よくやる間違いは鏡だけを見るとまちがって着ていると錯覚します。帯を結ぶ前に必ず自分自身を見ましょう。鏡を見て正しく着ていたら 間違って着ているのです。右の図は鏡にうつっている図なので間違っては着ていません。 本屋や雑誌や新聞でときどき反対になっている時があります。着ている人は正しく着ていても写真を印刷する時に間違う時があります。印刷する人がよくわかっていないのです。
必ず誰でも間違えます。早いうちに間違って 間違えないように着れるようになりましょう。


高松塚古墳の壁画 女人群像

高松塚古墳の壁画 女人像
まさかカビの為に貴重な文化財が失われるとは夢にも思っていなかった時に高松塚古墳に隣接した高松塚壁画館を見学をしました。そのときの入場券の一部に西壁の女像が掲載されていました。それをコピーしたものです。朱の衣を着た女性を少し拡大してみましたが女性たちが左前にしているのがわかります。

着物を製造する為

着物の上前が統一されたことにより必然的にデザインにも一定のお約束ができました。下前身頃はあまり見えないので、上前身頃に柄が配置されたりするのです。