長着(着物)の裾位置
長襦袢の裾は長着からは出さないというのを前提にします。長着の裾位置は着る人の好みですが、短すぎても長すぎても それなりに差し障りがあります。
男女間で違いがあるかと問われれば、好みなのだから性別では関係ないと思います。男性の方が着る時にいろいろ変えられないので、融通がきかないことは確かです。
長着の裾位置は 後ろからみて大きく三つの位置がある。
- 足袋が見えない。
- 足袋が見える範囲内で着る。
- 足袋の上 足が見える位置まであげる。
3番は短い着方です。普通はしないのですが 「今日は雨」という時には許せる位置です。また 身丈の短い着物を承知で着る場合には着て悪いことはありません。
着物の後姿の写真 裾の位置に注目
そうした 特殊事情は考えずに ごく普通に着物を着る場合の裾位置について考えてみたいと思います。
左の写真を例話を進めてみます。 ちょっと短めに着ています。
後ろから見ると足袋がしっかり見えています。四枚こはぜです。全景を撮るために 少し離れた所で上から撮った写真です。
一般の人がはく足袋は四枚こはぜと五枚こはぜがあります。五枚こはぜは慣れないとちょっと足首が痛くなる場合もあります。たいていの人は四枚こはぜです。
上写真のの裾位置で 真横と真後ろから写真を撮とりました。

これぐらい裾をあげて着ると前はあげないで着ます。この位置から前をあげると上げすぎになっておかしいです。
下に着ている長襦袢の裾位置と比べるとこんなふうになります。

長襦袢よりも長着が少しだけ下に着ているのがわかると思います。この着物は これ以上短く着れません。長襦袢の裾が下から覗くのはへんですから。 もし短く着たかったら長襦袢の裾位置をあげてから着ます。
礼装の時の裾位置
女性が正装や礼装を着る時は 後ろから見た時に足袋が見えないようにして着ます。前は少し上げます。後ろと同じ位置にすると裾を踏んで危険です。足の甲にすれすれにすると前は自然に上がると思います。上前の方を少しあげるとより歩きやすくなります。前から見るとちょっと斜めになります。(腰紐をしっかり結ばないと いつの間にか下がったりすることがあります。)

床すれすれは写真に撮りにくいので 草履を履いて真横から撮りました。
次に最初のちょっと短めという裾位置と比べてみます。

この裾の差は長さにして約1寸6分(6cm)の差があります。
そして 長襦袢は同じ物を着ていますが 長襦袢の裾位置を後ろ側に並べてみました。

礼装というのは足(足袋)を見せないというのが基本にあります。そのように着ると ちょっとした動作で裾が地面や床にすれるのです。この事は頭にいれて行動した方がいいです。
長襦袢は長着の裾を汚さないようにする役目があります。「礼装用の長襦袢丈は長めにします。」というのはここからきます。でも よーく考えると 長襦袢が長着の裾の汚れを防ぐけど 直接 床や地面につけば 汚れるのは同じです。
できるだけ 汚したくなければ 草履の高さを高い物にして きれいな道を歩くことです。 着ることに慣れるこれが大切です。
ちなみに 写真の草履の高さは一番ノーマルな高さで 4センチに少したりないぐらいです。
足袋をいつも隠して着るならば この長襦袢の丈は1寸長くしてもいいわけです。女性の場合は 衣紋を忘れてはいけません。着物を着ると衣紋のぬき加減がいつも同じというわけではありません。衣紋をぬけばぬくほど 後の裾位置は下がり 前は上がります。 衣紋をぬくのが好きな人でも 寒い日は自然にぬかなくなります。長襦袢の丈を測る時は 背からの身丈ではなく 肩からの身丈にした方がいいのは こんな理由からです。背からの身丈は 出来上がり繰越巾を含まない丈ですが、肩からの身丈は出来上がり繰越巾も含めた身丈です。長襦袢丈は肩からをおぼえておくほうがいいです。
長襦袢を着るごとに裾位置の調節までしませんから
結局は 長襦袢の丈によって 長着の裾位置が左右されるのです。

正装や礼装の場でないのならば 上の写真の右側ぐらいで着るのがいいのではないかと思います。こういうことは 何センチというのではなく 各自の感覚でいいと思うのです。着る時にものさしで測って着るわけではありませんので。
男性の場合は
写真まではありませんが 足袋より少し上で 足がちょっと見えるぐらいで着ている人もいます。もともと男性は袴着用が原則でしたから 長着は短い方がいいのです。そして雪駄の高さは低いですから 裾が長いとすぐ汚れてしまいます。歩くときも大またで 蟹股 こんなことから 裾はちょっと短かくてもいいとなります。
大変残念なことですが お店側は少しでも売り上げを伸ばしたいので 「礼装用とおしゃれ着用を区別して仕立てることが必要です。」とか「礼装用をおしゃれ着では着ません。」などと説明するお店があります。着るのは自分です。たとえ店側に自分の持っている着物を全部さらけ出したとしても あれこれと理由をつけて もう一枚着物を買わそうとしむけるわながあります。怖いですね 恐ろしいですね さようなら さよなら さよなら
ここで一句
売る側は 着る人のこと考えて!
着たい人 着物あきない 参考に
絹をまといて ほくそ笑む
お粗末でした。

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