初級編5 付け下げと訪問着の違い

ハゴロモギク属

付け下げと訪問着の違い

付け下げは反物で 訪問着は仮絵羽で売られている

仕立てる前は付け下げと付け下げ訪問着は反物、訪問着は仮絵羽になって売っています。

付け下げ

付け下げは 袖、身頃、衿、衽のパーツに裁たずに染色をしますが、裁つ位置が示されています。その印を「すみうち」といいます。柄の特徴は 続き柄になっていません。着た時のことを考慮してポイントに柄を描いています。仕立てる時には柄が欠けないように縫います。標準寸法で仕立てるといいように柄を描いています。そのため、身巾が狭い人は柄が欠けてしまうことがあります、和裁の事がよくわかっている人ならば 仕立てる前に 柄がかけてしまうかどうか見る事ができます。下の図で示したところに必ず柄があるというわけではありませんが、着た時に見えない下前身頃や下前衽には柄のない物が多いです。袷にする時は、裏地を別に選びます。

付け下げ

付け下げ訪問着

仮絵羽なっていないが衿や上前に続き柄がある着物を付け下げ訪問着と呼んでいます。また、八掛けとセットになっていません。付け下げ訪問着という名称は業界で取り決めがあったわけではありませんが おおむね この説明で正しいと思います。

付け下げ訪問着

訪問着

訪問着は仮絵羽になって売られています。製造のはじめに生地を袖や身頃や衿衽に分けます。それを端縫いして反物の状態にしてから染色します。訪問着だけでなく 留袖、振袖などは仮絵羽にする為に生地を裁てから染色します。
単衣用に作っていなければ、訪問着には八掛けがついています。着物は裏地と表地と同じ生地の方が格が上です。訪問着は必ずしも表生地と八掛けが同じ生地ということではないのですが、八掛けもついています。付け下げや付け下げ訪問着はそれをしません。八掛けを好みで選ぶことができます。八掛けは別料金です。付け下げや付け下げ訪問着に比べると柄が全体的に豪華になる場合が多いです。比較的八掛けの色は表生地と同系色になる事が多いです。上前の八掛けに柄が描いてあったりします。

訪問着

訪問着が出来上がったら 仮絵羽に仕立てる専門の業者さんに送られます。実際に行っているのは一枚いくらの内職の方々です。そのお仕事の様子を拝見したことはありませんが、すごい早業で仕上げていくそうです。この時に生地の表裏を間違えると後々それがひびいてくるのですから、重要なお仕事です。この仕事も数が激減していると思います。高齢の方々で支えられていると思います。
着物の雑誌には仮絵羽の状態でモデルさんに着てもらっているのかな?と思うようなのもあります。仮絵羽の証拠は右袖の下の方をみると角になっています。ちゃんと仕立てられているのならば袖に丸みがあるはずですので それで区別ができます。

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