和裁中級4 紗合わせの縫い方

青い花

紗合わせの縫い方

単衣長着に近い方法と比翼や袷に近い方法があります。

単衣に近い方法

最初に 外側と内側になる生地を重ね合わせます。重ね合わせる方向は 外から見た時に表が見えるように 外側の生地の裏面に内側の生地の表面が接触するように重ねます。 重ねた生地を 一枚と見立てて 単衣を縫うように仕立てます。普通の仕立てと違うのは 内揚げの方向です。外側の内あげはいつものように裏側にでますが、内側の生地の内揚げは反対にして 仕立てあがった時 内あげは表からも裏からも中にはいるようにします。 そのほか 縫いこみのくけ目はすべて 表側に出さないように 内側になる生地だけをすくいます。

比翼や袷の縫い方に近い方法

  • 比翼に近い方法

褄下を比翼のように離しておく方法です。衽付け線は一緒に縫います。 衽巾の裾と褄下はべつべつに仕上げます。後身頃や前身頃の裾はばらばらにしません。縫い方はいろいろあると思います。

  • 袷に近い方法

袖の縫い方に 袷のお袖に近い縫い方があります。袖口が外側と内側べつべつにして そのほかは袷の袖と同じです。生地の裏表は 単衣の紗合わせと同じ方向で縫うので 振り口の裏は 内側の生地の裏が見えます。
褄下を袷のように 折ってくけるという方法もあります。裾は ふきは作らないで
外側の方を出来上がりに折って 内側の生地で ふくろが入らないように調節しながら折ったあと くけます。

袖は単衣の縫い方で 褄下と裾は袷に近い縫い方にする場合もあり 仕立て方はいろいろです。

仕立て方にいろいろあるのは

比翼に近い方法をとるのは その着物の格をあげたい人 例えば 結婚式で留袖は着るような立場ではないが礼をつくしたいとします。褄下を離しておけば 比翼みたいに見えるからです。単衣に近い仕立て方は風情がないという意見もあります。

紗合わせ 衿下から裾の縫い方 三種類

個人的意見としては 夏の着物が売れなくなり 昔 名古屋帯や訪問着や付け下げが考案されたように 何かないかと考えて 薄物を売るための方法(最初に発明したのは売るとかは関係なく誰かのアイデアと思いますが)だったけれど、ヒット商品とまではいかなかったのではないかと思います。
紗あわせにしなくても 長襦袢を濃い色や派手な柄にし、絽や紗の長着を着るだけで 同じようなことができるとは思います。 夏の着物は重ね合わせてどう見えるのかを考える楽しみがあるということです。
最後に 単衣として着る着物は 表ばっかりみないで 裏側を見ることも大切です。 昔は 単衣は裏も見えるので、裏の染まり方にも気をつかっていました。いかにも裏ですという染め方にはしなかったんですけれど・・・。

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