和裁中級5 長襦袢の裁ち方

青い花

関西式長襦袢の裁ち方 

長襦袢は生地巾にもさまざまな種類がありますので それによって裁ち方も変わります。

例 女物関西式長襦袢

普通の長襦袢の裁ち方

地衿は木綿物を使う方が多いです。半衿は別生地で用意します。
わかりやすいように色を変えて図にしています。

つまみ衿長襦袢

現在 大人でこの方法の長襦袢を仕立てる人はあまりいないと思います。摘み衿長襦袢は用尺が少なくてすむという利点があります。仕立てられなくなったのは 日本人の体格がよくなって裄が広くなったからです。構造上 肩巾が広く取れないのです。子供物の四つ身も寸法は違いますが、縫い方は同じです。

摘み衿長襦袢の裁ち方図

立衿をつまむ場合の長襦袢の裁ち方

つまみ衿というのは身頃を一部分つまんで立衿のように見せる仕立てです。立衿の生地を別にするよりも生地が少なくてすみます。また 立衿の巾は通常の長襦袢の巾と同巾に仕立てます。 袷長襦袢では 表面上は普通の長襦袢と同じに見えます。

外側から見た長襦袢 上前身頃と衿と立衿

長襦袢の上前立衿と衿の図

関西式長襦袢の一つといえます。立衿は地衿の中に隠れています。立衿は剣先から上は見えませんが 立衿が長くあると あとで 身丈を伸ばしたいときに役に立ちます。反対に剣先より上に立衿がない場合はそのままでは身丈は伸ばせません。

地衿を除いた場合の構造を説明します。それによって 肩巾があまり広くとれない理由がわかります。

つまみ衿長襦袢 立衿2寸にする場合の内部の寸法の取り方

立衿を別の布で仕立てる時は 衿肩明き2寸4分 立衿の縫込みが1寸8分 背縫い3分します。 首の入る寸法は2寸1分です。(立衿の縫込みは仕立て屋さんよって異なります。)

つまみ衿長襦袢の寸法のとりかた

つまんで立衿を仕立てる場合は まず立衿の巾の出来上がりを2寸にします。つまむための寸法と反対側の普通は輪になっている部分を折り込む為の縫い代分が余分に必要です。この図では3分と4分にしましたが 2分と5分になってもかまいません。(摘む分をもっと少なくする場合もあります。)
最初のは立衿の縫込みが1寸8分ですが、摘む場合には2寸7分必要だとします。
ここで思い出してほしいことは 普通は衿肩明きが2寸4分です。ところが立衿を作るのに2寸7分必要です。衿肩明きよりも立衿の位置が広がります。

衿のカーブを人体に沿うように縫う

着物の衿は前を交差させて着ます。通常の衿肩明きの寸法では衿が着るのとは反対方向についてしまいます。上の図の向かって右の衿のようにしない為に衿肩明きを基本の2寸4分ではなく3寸にします。すると立衿よりも外側に肩山の衿位置がきます。ただし背縫いを3分のままだと衿肩周りが大きくなりすぎます。そこで背縫いを1寸にします。首のはいる巾は同じにしたいのです。

つまみ衿長襦袢ンは背縫いの巾がひろくなる

前から見た図ばかりなので後ろからの図も追加いたします。これでなんとなくでもわかってもらえるとうれしいです。つまみ衿長襦袢の仕立て方法では多くの人が肩巾がとれないのです。

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