八掛けの交換

すずらん

八掛けの交換

長く着物を着て、八掛けが汚れたとか破れたので交換するならば 全部ほどいて 洗い張りをして 仕立てる方をすすめます。
その理由は 八掛け交換時に 表側も汚れているし、着物の中からほこりがごろごろでてきます。くしゃみもでます。丸洗いは中のほこりまで取り除いてくれません。正直 洗い張りしてからにしてくれないだろうかと心の中で思いながら直してました。着物さん「ごめんなさい。」です。

八掛け交換で縫いにくい場所

袖口布の部分です。 袖口布を取り除くと 当然 袖口も一緒にほどきます。形になっていると手がはいりにくいので 単に袖口布を取り除けば縫いなおせるというものではありません。 加えて 袖口布と胴裏と表生地を三枚同時に縫いなおす時に 前と同じように縫いなおなければ 表側と裏側の袖巾が変わります。 袖巾が変われば 袖付を縫いなおすことにもなります。 ちまちまほどいているより 袖を身頃から離してしまった方が縫いやすいと思ったこともありますが、それをすると時間がかかって 身頃の八掛け交換の時間を加えたら 一枚縫うのと変わらないような時間になってしまいます。どの方法が早くて綺麗にできるのか、試行錯誤しましたが 結論は 必要な部分だけをほどいて縫いなおす方がいいけれど、全部ほどいてから仕立てた時のように綺麗には仕上がらないです。

八掛け交換で胴裏が必要になる可能性がある。

八掛け丈は必ず同じではありません。八掛けには無地とぼかしの二種類があります。特にぼかしの八掛けは裾の色をあわせるという作業をします。最初についていた八掛けよりも 新しい八掛けの方が短い時は 胴裏で不足分を補わなければなりません。多くは身頃の部分が足りなくなります。 裏は見せないので部分的に胴裏を継ぐという方法もありますが、見るからに貧乏な着物になってしまいます。着るご本人がよければそれでいいですが・・・。胴裏の身頃全体を取り換えるとなると八掛け交換ではなく 裏の交換といった方がいいかもしれないです。

最初の仕立てた状態 赤の八掛け

交換したい八掛けの部分を赤色で示す

交換する八掛けが短かった場合 水色八掛け 不足すると胴裏も必要になる。

古い八掛けの方が新しい八掛けより長いと生地がたりなくなる

身頃の裾まわし部分だけが取り除けるわけではない

着物にはたくさんの縫い方があります。このような直しをすることによって自分以外の縫い方を知る機会になることは否定しません。縫い方によっては八掛けの部分をほどくだけでなく 他の部分もほどかなければならない場合があります。どの方法で縫っていますとは書いていませんので、どのような仕立て方になっているのか見ることからはじめます。 表側の地衿と裏側の衿をいっしょに縫う方法があります。この方法は袷の縫い方はとしては良い縫い方とはいいがたいです。 他に裏側で、胴裏も部分的にほどかないと八掛けがとれない縫い方もあります。私の縫い方はこの二つの縫い方とは違いますので 最初にわかった時には自分の習った学校に感謝しましました。

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