和裁基礎4 着物の採寸方法1

着物を正確に測るにはメージャーではなく「ものさし」で測ります。竹ざしは目盛りが端からあるので便利です。テーブルなどのかたい台の上ではかります。着物は左右対称の服ですが、多少の誤差はあります。

後巾や前巾は裾がその寸法にあたりますが、裾より5cmぐらい上をはかった方がいいです。(裾から肩山まで斜めに仕立てている長着もあります。)最終的には尺貫法に換算します。 尺貫法できりのよい数字にします。身丈 袖丈 褄下は5分きざみに、裄 前巾 繰越は1分きざみになります。その他 仕立てる人、呉服屋さん、地域によって基本の寸法はいろいろです。

袷の着物を測る時の注意点

袷の着物の寸法を測るときの注意点

肩巾の測り方の注意点

肩巾はつけ込みや繰越があるので正確に測りにくい場所です。下の図のようにして測りましょう。肩巾を測るときの注意点


最低覚えておくとお得な寸法について

着物は長着の寸法が基準になります。
一枚の長着に一枚の長襦袢ではいくらお金があっても不経済です。
着物の寸法はそろえておくのが一番賢い方法です。
最低 下記の寸法を覚えておくと困りません。

『女性は 裄 袖巾 袖丈 袖付 繰越 付け込み (衿肩明きの裁ち方。)』

『男性は 裄 袖巾 袖丈 (衿肩明きの裁ち方)』

この寸法を覚えていれば 身丈や身巾はその場で測る事ができます。
寸法の標準は呉服屋や仕立て屋によって若干違います。裄を肩巾と袖巾に分ける方法も異なります。
表とは異なる寸法で仕立てられている着物も多くあります。
身丈では4尺2寸は「しに」につながるとして少し長く仕立てて縁起をかついだりすることもあったようです。

和裁基礎4 着物の採寸方法2

付け込みと繰越の測り方

できあがった状態で一番測りにくいのは繰越付け込みです。測るには二つの方法があります。1は上から測る方法と2は理論的に割り出す方法です。
長着の衿肩明は基本的にはまっすぐ肩巾に平行に裁っています。
時には衿肩明きをカーブさして裁つ仕立て方もあります。ほどかないと正確なことはわかりません。何回着ても長襦袢と長着の衿の沿い具合が悪い人は肩周りの形や寸法が異なるからです。統一することが望ましいです。肩からの身丈は左右がありますが同じとは限りません。女性の場合 繰越はどんなに長くても1寸までです。

測り方1の方法

女物の広衿は裏側から手でさぐって付け込みを測れる場合があります。三つ衿芯の綴じる位置によっては 付け込みを隠す為に測れない場合もあります。

衿の中の構造

図のように本だたみをした時に肩山の位置をずらさないようにして綺麗にたたむと完璧ではありませんがおおよその「繰越」の寸法がわかります。

外側から繰り越し寸法をはかる

測り方2の方法

肩からの身丈ひく背からの身丈

女性の場合 出来上がり繰り越し巾がわかるだけで つけこみと繰り越しの内わけはあわかりませんが そのあとは 手でさぐって つけこみ寸法を推測します。それによって 繰り越しとつけこみの寸法を考えます。

長襦袢から繰越の寸法を測る(女物)

長着の繰越を二つの方法で測っても上手くいかない時はもう一つの方法があります。対に作った長襦袢から調べる方法です。
長襦袢の前後の内あげの寸法の差が繰り越しの寸法です。前身頃だけ内あげのある長襦袢はまずありません。後身頃だけか、両方にあるかです。長着の繰越に対して長襦袢の繰越をどのように設定しているかが問題になります。長着と長襦袢の繰越は同寸にすると思いますが、長着の繰越を基準に少し増やす仕立て方あるようです。長襦袢の前後の内揚げが同寸の場合はこの方法はできません。

長襦袢から繰り越しをはかる

和裁基礎5 女物着物参考表

女物の身丈と褄下
身丈背から
(身長)cm
身丈背から
(尺貫法)
褄下
cm
褄下尺貫法
142.0 3尺7寸5分 68.2 1尺8寸
143.9 3尺8寸 70.1 1尺8寸5分
145.8 3尺8寸5分 70.1 1尺8寸5分
147.7 3尺9寸 72.0 1尺9寸
149.6 3尺9寸5分 72.0 1尺9寸
151.5 4尺 73.9 1尺9寸5分
153.4 4尺5分 73.9 1尺9寸5分
155.3 4尺1寸 75.8 2尺
157.2 4尺1寸5分 75.8 2尺
159.1 4尺2寸 77.7 2尺5分
161.0 4尺2寸5分 77.7 2尺5分
162.9 4尺3寸 79.5 2尺1寸
164.8 4尺3寸5分 79.5 2尺1寸
166.7 4尺4寸 81.4 2尺1寸5分
168.6 4尺4寸5分 81.4 2尺1寸5分
170.5 4尺5寸 83.3 2尺2寸
172.4 4尺5寸5分 83.3 2尺2寸
174.2 4尺6寸 85.2 2尺2寸5分

身長がわかれば身丈と褄下がわかる表です。おはしょりがあるとはいえ長すぎる身丈は着にくいです。訪問着などの仮絵羽になっている長着は背から4尺5寸以上は微妙です。必要な人は買う前に確認しましょう。

女物袖付と身八つ口
名称 尺貫法 センチ
袖付 / 身八つ口 5寸5分 / 4寸 20.8 / 15.2
袖付 / 身八つ口 6寸  /  3寸5分 22.7 / 13.3
袖付 / 身八つ口 6寸  /  4寸 22.7 / 15.2
女物 繰越

繰越は5分から7分までで十分です。9分というのがないのはなぜか8分の次は1寸に飛ぶのです。9という数字が何かあるかもしれませんがよくわかりません。8分や1寸にする人はかなり肥えた人と思ってください。

繰越 尺貫法 5分 6分 7分 8分 1寸
センチ 1.9 2.3 2.7 3.0 3.8
袖丈
袖丈 尺貫法 1尺2寸 1尺2寸5分 1尺3寸 1尺3寸5分 1尺4寸 1尺4寸5分 1尺5寸
センチ 45.5 47.4 49.2 51.1 53.0 54.9 56.8

現在 どんなに背が高くても 1尺3寸の袖丈になってしまいました。これは非常に残念なことです。いろいろな袖丈が存在すると既製品の長襦袢の製造が割高になってしまうのでしょう。つまり 体に着物をあわせるのではなく 体が着物にあわせているのです。身長が140センチ代の人は1尺2寸代になります。

着物は尺貫法で縫います。普通は鯨尺のものさしはないと思いますので、この表を使って メートル法から尺貫法に変えてください。身丈や褄下や袖丈は5分刻みになります。その他の寸法は1分ずつかわります。これは大人の寸法です。