普通に選ぶ 無難に選ぶ
八掛けの色に白はない! 白になるのは花嫁衣装や昔の習慣の白喪服だけ です。他は何かの色を選ばなければならないのです。白はないけど黒はあります。八掛けは当然 表生地があるから決められる。裏だけ選んでも意味がないので表地の色が基準です。
- 表生地の地色と同じ色にする。つまり色無地と同じです。
- 表生地の模様の色に注目。模様の中の一番目立つ色や好きな色にする。
このどちらかにすれば八掛けの色は選べます。すごく簡単でしょう!!
例えば こんなふうになります。
呉服屋さんが選ぶ八掛けの色
何も言わなければ 呉服屋さんがかってに選んでくれます。上の色以外に呉服屋さんが選ぶ色があります。普通に選ぶ 無難に選ぶの中に入ります。無難にするにはそれなりに理由があります。帯などのほかの色がわからない、帯などの色がどんな色でも無難にあわせられる色を選んでおくというのが理由です。この場合は
- 表地と同色で表地より薄い色にする。
- 表地と同系色で表地より薄い色にする。
例えば こんなふうになります。
着物の世界のお約束 色目 色合わせ
奈良時代に唐の制度を取り入れました。官位によって服の色を決めたりしました。平安時代になると衣を襲ねるということをします。季節によって衣の色を変えたりする。それに名前をつけたりする。こうした色の取り決めが有職故実の中で決められます。これを色目といいます。そういう流れが着物にもあります。色目は他の方がホームページなどで紹介していますので掲載しませんが、着物の表地がこの色ならば八掛けはこの色にするというお約束のような色があります。そうしなければならないわけではありませんがこの色合わせにする人はけっこういます。
表地は茶色系で八掛けを緑系 表地が紫系で八掛けが黄色系 というのです。
人によったらミスマッチと思うかもしれませんが、これはちょっと違う色にしたいというので選ぶ人が多いと思うのです。でも茶色に緑は確か『蝉』という色目になると思います。
ところで
日本人は「七色の虹」といいます。でも国が違えば虹もかわるで、7色あるといっても否定する国の人もいるんです。世界中から見れば日本人は目がいいと考えられます。着物の微妙な色を見分けることができるんです。工業的にはたくさんの種類の八掛けの色を製造できても、商業的にはどこかで区切りをつける必要があります。限られた色の中で八掛けの色を選ぶか 少し時間をかけて 好みの色に染めてもらうかを選択できるんです。