糸
糸は原料繊維を集合させたものです。 糸を作るには三つの方法があります。
- 解舒糸(生糸 練糸)
- フィラメント糸
- 紡績糸
絹糸を作る方法
- ラグビーボールのような繭を熱処理してから水の中で引き伸ばして袋状の四角形にします。これを真綿といいいます。その真綿から糸を引き出していきます。無撚糸を作る時にはこの方法なのだと思います。この方法で作った糸をつむぎ糸といいます。
- 繭を熱湯につけてかたまっている糸をほぐしてから もう少しぬるいお湯につけて 糸口からときほぐして糸を巻き取っていくという方法。この時 自然に少し撚りがかかります。この方法を製糸といいいます。この方法で作った糸を生糸といいます。
製糸
製糸のときに何個の繭を集めて糸にするかで糸の太さがきまります。繭によっても糸の太さが異なりますが生糸の太さは「14中から21中」で表します。製糸では20%から25%のセリシンが取り除かれていません。
生糸の状態からセリシンを除いた糸の事を絹練糸または練糸といいます。
そして セリシンを除く程度で 本練、七分練、半練との区別があります。
精練と織物の名称
生糸で織り上げた後で精練する織物のことを生絹織物または後練り織物といいます。
練糸を使って織った織物のことを練絹織物または先練り織物といいます。
染色と織物の名称
糸の段階で染色する方法を先染織物、白生地を染色した織物のことを後染織物といいます。
生糸を精練しないで染めて、あとに織ることを生(き)染めといいます。
糸の撚りについて
着物には よっていない無撚糸やほとんど拠っていない甘撚りという糸も使用します。撚りを大きくした糸を使う時もあります。これを強撚糸といいます。どのような撚り糸を使っているのかも重要なポイントの一つです。また撚りの方向についても欠かせないことです。撚りの方向で右撚り(S撚り) と左撚り(Z撚り)があります。
糸の撚り方向のことは後ほどでてきます。
なぜ撚るのか?
- 一定の太さと丸み、均整度を与える
- 適度な強さ 伸長度 弾力性を与える
- 柔軟性またはふくらみを与える
- 特殊な風合いと外観をあたえる
絹織物は どんな糸をいつ精練して どのような織り方をするのか また 染色の方法 産地によって名前が付けられます。 日本中に何種類もの織物があります。時には呉服屋さんのオリジナル商品もあるのですから 数えるのは至難の業です。
撚り係数
これで糸の撚りを表します。同じ撚り数でも太い糸は強撚になり,細い糸では甘撚りになります。
長さは同じで 太さが異なる糸を3回撚った場合。細い方が撚りが大きくなっています。本来、よりの強さはより数ではなくより角度で比較するのが妥当です。
名前 | 極強撚糸 | 強撚糸 | 並撚糸 | 弱撚糸 (甘撚糸) |
甘撚糸 |
---|---|---|---|---|---|
1Mに何回 撚ったか |
3000T/M以上 | 1000~3000T/M | 300~1000T/M | 3000T/M以下 | ごく少ない |
より縮み
着物の織物ではこれも大切なことです。糸に撚りを加えると直線状かららせん状に変化していきます。長さ方向に収縮するのです。糸の種類、太さ,撚り数によって異なりますが 加撚時の張力によって大きく変化します。普通の撚りでは 同じ太さの糸の撚り縮みは 撚り数に比例します。
生地を織る時に縦糸をひっぱりすぎるとのちのち 水につけたりするとよく縮むのです。
次は糸の太さの単位 絹糸の名称です。