丸帯の丈を伸ばす方法

すずらん

丈の短い丸帯をのばす

この帯は前の持ち主のお話では100年ぐらい前といわれました。100年前でも 大切にすれば使えるのですからすばらしいことです。巾は十分にあるのですが、丈が短いのです。3メートル90センチです。現在の正装用の袋帯は4メートル50センチ以上の丈がある場合もあります。少なくとも4メートル20センチはあるでしょう。

丸帯

残念ながら 現在の体格ですと この丸帯の長さは中途半端です。一重太鼓には長すぎて、二重太鼓には無理があります。使いやすいように仕立て替えるには前ページのように帯を半分に裁ってしまう方法もありますが、この帯は今は貴重な手織りの帯と思われるので、縦に全部裁ってしまうのはもったいないと思い、胴巻きになる部分に別生地をいれるという方法を行いました。
この方法は少々の問題があります。丸帯は生地巾が出来上がりの倍ほどあります。残念ながら必要分の帯地を適当な金額では入手できません。前ページの丸帯の仕立て替えで使った生地が残っていますのでそれを利用しました。
できるだけ元の形を変えたくないので帯巾も縫い直さずに行いました。そのために袋帯の裏生地を横方向に使います。丸帯の巾は8寸5分の出来上がりですが、袋帯の裏生地用の巾は8寸5分もないぐらいで縫込み分がありません。ちょっとこの方法は理想的とはいえませんが、丸帯の巾を全部縫い直すよりも手間はかかりません。

丸帯の手先
手先から1尺5寸ほどで裁つ
すっぱり 1尺5寸の位置で裁つ
足し布を用意する 袋帯の裏地用 9寸×2の長さを二枚用意して縦方向を縫う。
間の生地
丸帯と足す布を縫い合わせる。その前に 丸帯の縦方向を縫いやすいように少しほどきます。横方向に縫い合わせてから 縦方向を縫います。
つないで縫う
帯芯を丸帯の巾より少しだけ狭くして切ります。手先から 丸帯の縫込みと帯芯を綴じます。(帯芯にゆるみをいれながら)
表がえして お太鼓の口をとじます。 最後に手先をお太鼓の端から7寸の位置に横綴じをいれます。 折りたたんで「押し」をしたらできあがりです。
(帯芯を綴じる写真を撮るの忘れました。)
間にいれた部分
60センチほど長くできましたので 約4メートル50センチになりました。

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