和裁初級6  裄を広くする方法 割入れ1

青い花

裄を広くする方法

裄が広くて生地巾が足りない場合、袖で布をたすのが一番最初の方法です。肩巾でたす方法もあります。割りいれる布は 袖や身頃と同じ地の目 つまり 縦に裁ちます。

二反分つまり二枚分で一枚の長着を仕立てるならば 自由に裁つ事ができますので柄ゆきにも柔軟に対応できます。長着を一枚 仕立てる時に 二反 購入するのは かなり 背が高い人か 身巾も大きな人です。通常は二反も購入しません。(二反購入して 長着と袖なしの羽織を作るのでしたら もともと 羽織の袖に使うはずの生地を使って裄を広げることができます。)

このページでは 一反で 裄を広くする時の説明です。割入れは めだたなくするという前提がありますので 柄によっては割りいれた布がめだちます。でも 柄によったら 「それもまたよし」という場合もありますので どちらにするかは着る人あるいは 購入者がよく説明を聞かれて 選ぶ方のがよいと考えます。仕立てあがってから クレームになっても 一度 裁ってしまうと 元にはもどせません。

 

単衣の方が 裁ち目の始末がありますので 同じ巾の生地が確保できても 出来上がりの裄は狭くなる場合もあります。 袷は表生地だけでなく裏地の巾も注意しましょう。

袖の袖付側に割入れする

袖に割入れる場合は 袖付側にする方が一般的

わかるように色を変えています。上のようなデザインの着物があっても いいのですが グレー 一色の長着を仕立てると思ってください。

袖だけでは裄が狭い時

袖だけでなく 身頃にも割入れをした図

さまざまな事情で 身頃の肩側に割入れする場合もあります。

上記 二枚の着物の衿衽の裁ち方は 下に掲載しています。

袖口で割入れをする時

袖口で割入れする

袖口側で割入れする場合もあります。(その時の事情で 理由は忘れました。) 割入れは 同じ生地の方が理想です。丸洗いをする時に 生地が違うと 縫い目の所で びりびりしたりする場合があります。多少 びりついても 異なる生地をあわせているのだから 大目にみる それより 袖口側に割入れて おしゃれに見えるなら それを採用してもいいのです。

割入れの裁ち方

以前の 1反は3丈2尺 ほどだったのですが 3丈4尺 という反物もあります。 割入れの生地を 衿衽の生地から取る場合 巾は違いますが 縦に三つに分けて裁ち 袖の割いれの生地をとるのが 後々のことを考えると 一番 合理的でした。

丈が長くなったので 衽を向かい合わせに裁って 地衿を最低限必要な長さをとる事ができれば 地衿と掛衿と割入れの生地をとるという裁ち方もできます。

全体の裁ち方を参照したい方は 和裁初級2 をご覧ください。

 

タイトルとURLをコピーしました