振袖編3

振袖の歴史

八重桜一般的に認知されている意見ではありません。反対意見の方もいると思いますが、振袖を買うなといっているわけではありません。誤解のないようにお願いします。
振袖はもともと神様を招きよせる為に肩から長い布をストールのように掛けてそれを振り動かしたことに由来します。神様の前で着る着物であることから本来は女性の最高位の服装であるといわれる方もいます。昔 男性は神を象徴する存在でした。(いろいろ意見はあるでしょうが・・・。武家社会になると男性優位が強くなります。) 女性は自分を守ってくれる強い男性を夫にしたいと望みそこから良き夫(神)を招きよせる為に袖を長くする風習がうまれました。振袖は江戸時代初期から一般化してきます。それまでは神事や踊り子など限られた人が着ていました。初期の袖丈は約45cmからはじまり一番長い時は宝暦ごろで100cmぐらいになります。江戸時代の女性の身長を考えますと一番長い時は現在の本振袖より長いかもしれません。その後75cmぐらいに落ち着きました。女性の元服は18才の秋でした。この年になると未婚でも留袖にしました。留袖とは現在の留袖をさすのではなく袖丈を短くし振り口も開けないようにする事です。婚姻するとまゆ毛をそり、おはぐろにします。髪型にも若い人の結い方,奥様の結い方,身分での結い方などさまざまありました。江戸時代結い方は300種類ぐらいうまれたといいます。振袖が一般化したといっても贅沢な物とみなされていましたので身分の高い人やお金持ちが着ました。江戸時代の女性は身分が高いほど外出をしませんでした。奥様という言葉は家の奥にいて出てこないことからうまれた言葉です。家の中まで役人が追いかけてくるわけではありませんので倹約令などの華美禁止の取締りが厳しい時は家の中だけで楽しんでいたのでしょう。
娯楽の種類が豊富なというかありすぎる現在とは違い 江戸時代の娯楽の代表は歌舞伎見物です。現在とは違い 日の暮れる前に芝居が終わりました。芝居見物となるとお金持ちの町人は一日中見ていました。芝居の合間に着物を着替えたりもしたそうです。野暮な服装をすれば評判にも傷がつくてなことだそうです。

ちなみに年のことですが

お母さんのお腹の中には10ヶ月います。この時を一年と考えて年を計算するのが「数え年」の考え方です。生まれた時には一才となります。昔は個々の誕生日を祝うという習慣がなかったので正月元旦に年を一つ増やします。たとえ12月の末に生まれても元旦には年が一つ増えるわけです。女性の元服が18歳の秋ということですが、昔の数え方ならば、現在では16歳ごろということになりますね。


手前かってな意見ですが

分銅桜江戸時代には結婚に関係なく元服をむかえたら留袖にしたのなら現在もそれを取り入れた方がいいのではないでしょうか。少子化が進み 価値観も多様化した現在社会では振袖を成人式で買ってもその後着る機会がありません。結婚式や披露宴をする人が減っている為に振袖そのものの出番がないのです。成人式一日の為に何十万も出すのには疑問があります。一般的には振袖の着れる期間は30才ぐらいです。(個人的には何歳になっても着たい方は着てもらってかまわないと思っていますが、長い袖は邪魔です。行動的とはいえません。ちょっとしたことでも袖をきにしないと汚してしまいますし、腕がもう一本ほしくなります。) 成人式で初めて着物を着る人も珍しくない今 長い袖をもてあまし、洋服を着ている時と同じ感覚で歩こうとします。帯はどんなに上手な人に着付けてもらっても 慣れていなければしんどいです。まして下手な着付けの人にあたれば記念の成人式も台無しになってしまいます。案外見落とすのが草履です。普段から草履をはいている人はめったにいません。振袖用の草履を買う時は必ず鼻緒を足にあわせてもらいます。着付けが悪く、鼻緒がきつすぎた人は着物に悪い思い出ができて二度と着ないと思った人もいらっしゃるでしょう。成人式で初めて着るのではなく小学生,中学生,高校生の時から着れなれていくのがいいのです。振袖の色はビビットな色で、色あわせは反対色が多くあります。例えば緑色の帯にオレンジ色の帯揚げといった取り合わせです。このような反対色の色あわせははっきりしていてめだちますが大人の色あわせではありません。大人の仲間入りなのですから本来ならそうした色あいは卒業するほうがいいのではないでしょうか。
江戸時代の風習に従えば成人式では色留袖や訪問着を着るということになります。現在の色留袖や訪問着の袖丈は1尺5寸(57cm)の長さにはできます。 50年ぐらい前の10代後半の女性は1尺7寸(65cm)の袖丈でした。大人になるのですから1尺5寸の袖丈でも十分ではないでしょうか。未婚女性の第一正装が振袖となっている今、そのルールを無視するのは勇気がいるかもしれませんが訪問着や色留袖の方が長い期間着る事ができるのです。このような意見が浸透すれば振袖はより売れなくなってしまいます。振袖に力を入れている呉服屋さんには悪いですが成人式に着物を着るなといっているのではありません。和服の文化を小さい時からしたしんで自然に自分で着物をあつかえる人が増えてほしいと願っています。和服は大人の文化です。自分にあった和服が選べるようになるには時間がかかるのです。奥の深い世界です。その魅力に「はまる」とぬけられなくなります。和服の魅力を知り和服を着る人が増えることを希望いたします。