羽織の紐を通す所を乳つけといいます。乳つけというと 何で乳つけというのですか?と聞かれる時もあります。答えは簡単で 昔はちょうど 乳首の位置に つけたからです。ずいぶん高い位置にあると思うかもしれませんが 紐のたれさがる位置を考えると あるいは 肩に負担を掛けないようにするには その位置の方がいいのだと思います。
その乳つけは衿から少し出るように つけるのですが あまり たくさん出すと めだってよくありません。しかし 少し出すだけにすると 紐がとてもつけにくくて 困ります。
それで どうするかというと 乳付けだけ 少し奥くで縫います。すると 紐をつける時は ひっぱれば 紐の中に余裕があって 紐がつけやすくなるのです。 最近 気がついて 羽織の衿と縫う時は乳つけの所で 縫う位置を変えるようになりました。