お店に並ぶ反物と形状
反物 巻いている着物
丸い棒に巻いている着物の生地です。着物でも帯でも基本的にはこの形になっています。
反物 畳んでいる反物
胴裏や八掛けなどの裏地はこのように畳んでいる時があります。特にルールはありませんが疋の長さの物はこのようにします。
仮絵羽
仕上がった時の柄がわかるように 仮に縫われている着物。 留袖 訪問着 絵羽織 絵羽コート 男物長襦袢などがあります。このようにしておくと試着しやすいということもあります。
仕立てあがった着物
フリーサイズなどで仕立てあがっている着物。 大きな括りでは古着も当てはまるでしょう。
芯木について
写真の左から3番目の芯木が着尺用です。左から2番目は羽尺に使われたりいろいろです。右端の二つはアンサンブルなどの長い反物用です。
芯木は反物を巻く時に芯にする棒のことです。昔は木製でしたが、現在ではダンボールを筒状にして横の部分をプラスチックの丸い物でふさいでいます。木製の芯木は少なくなりました。反物は長さと生地の厚みで巻いた時の直径が変わります。お店に陳列した時に大きさがそろうように 芯木の太さを変えています。
芯木の中に新聞紙を詰めて重くしています。振ると音がするのはそのせいです。長襦袢は軽いので、簡単に転がったりしないように 重くしています。反物自体の重さを測ろうとしても芯木がじゃまをするのでできません。長年仕事をしているとなんとなく反物が短いのではという感が働く時があります。
長襦袢用の芯木 ↓
長襦袢の芯木です。13.5mは女物の無双袖長襦袢の一枚分です。附下用と書いてある方は絵羽長襦袢です。右端は振袖の長襦袢を巻く時の芯木です。このように着物の種類がわかるようにしている芯木もあります。
反物を横から眺めてみましょう。
着物を買う時、反物を少し広げて柄を見るとおもうのですが、その前に 左右の巻いている横を見ます。耳が部分的に汚れていたり、全体に黒ずんでいたりする。耳がほつれて 糸がでているような反物もあります。耳の部分が黒ずんでいるのは芯木に巻いている時の方がよくわかります。長襦袢や薄い色の着物は出来上がった時にめだちます。着物は洋服とは違って 型紙に沿って 裁つということをしません。耳を切り落としません。
耳が汚れるというのは売れないで残っていた物、保管状態が悪かったなど考えられますが、セール品や常識的に安い物ならば、しみぬきはしてくれません。それを承知で買うのはいいですが、お店が承知しないで売るのは最低ですね。