丸帯を半分に裁って利用する方法
この丸帯の半分だけをいただきました。半分は別の人が帯に仕立てました。残り半分をいただいて、使える帯に仕立て直したということです。少し前に作られたもので、巾は十分ありますが、長さが4メートルほどです。現在の袋帯の長さは4メートル50センチぐらいあってもおかしくないのです。袋帯に仕立てることもできますが、一重太鼓で豪華に見える帯でもかまわないと思い、名古屋帯に仕立て直すことにしました。
仕立て替えに必要な事
- 悉皆屋さんなどにもって行き綺麗にしてもらう。水で洗えないのでドライクーニングです。(染め帯ではないので)
- 袋帯の裏地を購入します。
- 必要だと思うなら帯芯の購入。今回は帯がしっかりしているので帯芯はいれませんでした。
- 帯の仕立て替え依頼します。和裁ができる人は自分で帯を仕立て替える。丸帯を手縫のはとんでもなく力がいります。並縫いではだめなので、細かく半返し縫いをしました。金糸銀糸もたくさん使われています。家庭用のミシンでは生地を傷めてしまう危険があります。
最近の帯ではこんなに太くて豪華な界きり線はみません。両端にかなりの汚れが見えますが、帯の汚れはなかなかとれません。
丸帯の半分を名古屋帯に仕立て替える。↓ 出来上がりです。
名古屋帯にはいろいろな仕立て方があるのですが、今回は一番普通の仕立て方です。垂れは一重太鼓が結べる長さ 胴回りと手先は半分にして結ぶ時にそのまま結べばいい方法です。豪華な界きり線は利用しないで仕立てました。気軽にしめるのには豪華すぎることとしみがついていたので 隠す方を選択しました。
裏生地の色は何種類かあります。一番ノーマルなほとんど白に近い薄いベージュです。好みで黒にするとかいろいろ考えられます。
垂れの裏側 帯地を別途購入。
締めるとこんなふうになりました。
この着物は紬です。紬に 普通このような豪華な織りの帯は締めないのが定説です。これがおかしいと思う人もいるかもしれませんが、私はべつにいいじゃんと思うのです。帯締めや帯揚げは帯に負けないようにちょっと豪華な物を組み合わせてみました。 地味な着物が派手になりました。ただし この帯が新しいものだったらあわない気がするんですね。こんなふうにいろいろ組み合わせるこれが着物の面白いところです。