女物長襦袢の衿について(えもんぬきを付けるときの注意点)
着付けがうまくなれば, えもんぬきがなくても 衿はぬけるようになります。
えもんぬきは大きく分けて2種類あります。衿肩周りに縫い付けるタイプ と 背中と腰の間ぐらいの位置に紐とおしをつけるタイプです.
衿肩周りに縫い付けるえもんぬきの注意点
1.長襦袢と同じ生地で作ることはほとんど不可能です。反物の丈が足りないからです。木綿の白生地で作ります。市販もされています。大きさはいろいろあります。夏は長着が透けているので白色のえもんぬきがうつります。ながすぎてお太鼓の下からの見える物もあります。 絽や紗の長襦袢にこのタイプのえもんぬきは付けない方がいいです。
紐をとおしだけのえもんぬきの注意点
背縫いの負担が大きくなります。単衣長襦袢では背縫いの周りは一枚だけの生地です。ひっぱりすぎるとやぶけますので付ける時には補強の布も同時につけましょう。
衣紋ぬきの巾
衿に縫い付ける衣紋ぬき
衣紋抜きは巾が広いと衿肩周りがなだらかになり 巾が狭いと尖ったかんじになります。衣紋抜きの巾が2寸5分(9.5)だと右側。2寸(7.5)以下の巾だと左側。腰ひもを通す部分がありますが、ないタイプもあります。その場合は下からひっぱります。市販の衣紋ぬきは大抵 腰ひもを通す部分があります。衿をたくさんぬきたければ 高い方に腰ひもを通せばいいです。
着物は前から紐をかけて、後ろで交差させて、前で結ぶのが基本。紐とおしのある衣紋ぬきは最初に腰紐を通しておいて、前で紐を交差させ、後ろ側で結びます。その後 伊達締めを結びます。
私の好みは広巾です。衣紋ぬきは木綿の白生地。紐とおしは白の綿テープを使用します。
腰紐の巾が1寸ぐらいと検討をつけています。全体の長さが市販で1尺7寸あるのもありますが、それはお尻をはるかに超えてしまうので長すぎると思います。せいぜい長くても1尺5寸で止めてほしい!! 女性の背丈は1尺(約37)ぐらいです。
市販の衣紋抜きには出来上がった長襦袢に安全ピンでつけるのもあります。私としては安全ピンは間に合わせの急場しのぎ。長襦袢は薄い生地が多くので できるだけ 衿と長襦袢の間に入れて縫いこむ方がいいです。
衣紋ぬきは図のように歪んだ状態ではいけません。伊達締めを締める前に姿見で衣紋抜きがまっすぐになっていなければ 下を持って まっすぐにします。
このまま着ると 着心地は悪いし 衿がきれいに沿わないし 碌なことがありません。
巾は細くて 丈が長い衣紋ぬきです。この衣紋抜きは両端を折ってステッチをかけているだけです。つまり一枚の生地 和服風にいうと単衣です。このほかに 袋状にして中には芯がはいっている衣紋ぬきもあります。そちらの方がしっかりしていいて断然いいです。衣紋抜きは着ているとくちゃくちゃになるからです。
ある着付けの先生のお話から作ってみた衣紋ぬき
ある時 着付けの先生が 衣紋ぬきについてお話しされました。その教室ではこのページの中ほどにある ゴムがついた小さな衣紋ぬきをつけるようにしている。理由は茶席などで正坐をしておじぎをすると ゴムがついていない衣紋ぬきではつっぱって深くおじぎができないというお話でした。衿肩周りに縫いつける衣紋ぬきがついていたら はさみで切るというのです。この説明は最初から疑問符??? j着物は長襦袢だけ着るわけではありません。その上に長着を着て、帯を締めます。その理屈がほんとならば 長着にもゴムが必要になるんじゃないのと思いますが 実際に試していないので 衣紋抜きの下にゴムをつければ同じことですから つけてみたのがこの衣紋抜きです。着比べてみましたが だからどうだという感じで あってもなくても変わりません。
ゴムと絹製品を一緒の引き出しに保管していて 絹製品の方に難がおきたという報告例もあるのです。今は何もおきていませんが・・・。
衣紋は着ているとそのうちぬけるようになりますので 気楽な気持ちで着てください。