着物に一番重要な絹繊維の特長
蚕が蛾になる前に繭を作ります。その繭から絹繊維がとれます。
繭は三層からなっていて 内・外層は紡績用 中層が生糸です。
絹繊維
繭繊維はこのようなになっていいます。表面の「セリシン」を取り除くことによって光沢が増し 絹鳴りが生じます。このセリシンを取り除くことを精練といいます。精練前の絹糸は茹でる前の「春雨」みたいな感じです。くすんだ白い春雨です。精練しないと染色もうまくできません。
絹の光沢
絹は三角形の形をしています。この形が他の繊維よりも光沢がうまれる原因です。
光が当たった時 表面で反射する、吸収する、通過する この三つがあります。 三角形だと特定の方向に反射する為によく光って見えます。この性質を化学繊維にも利用しています。
このページの最終目標は ちりめん お召 紬 などの着物の織物を説明したくて作っています。
繭の種類
家蚕絹 (かさんき) |
家内で飼育した繭 種類はたくさんあります。 | ||
野蚕絹 (やさんき) |
野山で生育している繭 生育が難しい。 |
エリ蚕 | これ以上はわかりません |
柞蚕絹 | タッサなど 中国やインド | ||
天蚕絹 | 山繭 |
野蚕絹は家蚕絹に比べて強度が大きい 不純物も多く 染色には難があります。 たとえば 天蚕は鮮やかな緑色の繭の色をしています。糸も緑色ですが たぶん他の色にするよりその色を生かした方がいいのでしょう。天蚕の糸で刺繍をした着物を見たことがあります。お茶で染めたみたいなきれいな緑色でした。
- 生繭 乾燥を行っていない繭。繭はほおっておくと蛾になります。
- 乾繭 貯蔵に耐えるように乾燥させた繭
- 玉繭 二頭の蚕で一つの繭ができている。これから作った糸を玉糸という。
次は絹糸の製糸や糸の撚りについてです。