着物の為の採寸方法
裄の測り方
腕を肩まで水平に上げる。首の中心がら手首までを測る。第七頸椎から尺骨(小指の下にある手首の骨)までです。図のようにまっすぐにして測ったのち指先の位置を10センチぐらい下げてください。同じように裄を測ります。水平にしても下げても裄の長さが変わらない人はそれが裄寸法です。
水平にして測った時と10センチ下げた時とで長さが変わる人がいます。下げた時の方が長くなります。このような人は水平の時の裄寸法で仕立てると裄が短くかんじることが多いです。水平で測った裄寸法ではなく、下げた方の寸法を採用してもいいです。
洋服と着物の裄の違い
洋服は肩巾と袖巾をべつべつに測ります。着物は背の中心から手首までを測り、その寸法を肩巾と袖巾に分けます。ほんとうの肩の位置は無視します。もし本当の肩巾で着物を作ると 袖の布だけとても広い布にしなければなりません。
水平にしたほうがよい理由。
- 洋服は袖が長いと袖まくりができますが、着物は袖まくりができない服なのです。袖まくりができないということは長すぎると洗面所で手を洗う時 袖口にたくさんの水が飛ぶのです。こうした日常のなんでもない動作が繰り返されると袖口は洋服よりも早く汚れます。
- 袖口や振り口が広く開いているので、ドアの取っ手にひっかかったりします。こういうことから 洋服のジャケット感覚で裄を決めないというのが 私の考えです。
- 裄を広くすると羽織やコートは長着以上に生地巾が必要になります。長着のことだけを考えて着物を作るのではなく、上に着る着物のことも考慮して裄を決めた方がいいと思います。
裄の換算表
分/尺 | 1尺5寸 | 1尺6寸 | 1尺7寸 | 1尺8寸 | 1尺9寸 | 2尺0寸 |
0分 | 56.8 | 60.6 | 64.4 | 68.2 | 72.0 | 75.8 |
1分 | 57.2 | 61.0 | 64.8 | 68.6 | 72.4 | 76.1 |
2分 | 57.6 | 61.4 | 65.2 | 68.9 | 72.7 | 76.5 |
3分 | 58.0 | 61.7 | 65.5 | 69.3 | 73.1 | 76.9 |
4分 | 58.3 | 62.1 | 65.9 | 69.7 | 73.5 | 77.3 |
5分 | 58.7 | 62.5 | 66.3 | 70.1 | 73.9 | 77.7 |
6分 | 59.1 | 62.9 | 66.7 | 70.5 | 74.2 | 78.0 |
7分 | 59.5 | 63.3 | 67.0 | 70.8 | 74.6 | 78.4 |
8分 | 59.9 | 63.6 | 67.4 | 71.2 | 75.0 | 78.8 |
9分 | 60.2 | 64.0 | 67.8 | 71.6 | 75.4 | 79.2 |
身巾の測り方と身巾の決め方
理想は長襦袢を着て測ります。着物は下半身全体を覆った寸法を測る方がより全体の身巾を正確に測ることができます。ただこの寸法は立ている状態の寸法になります。ここに動作や姿勢を考慮する必要があります。
茶道など正座をする人 踊りなどをしている人は比較的 身巾そのものを少し大きめにしたり、前巾を広くしたりします。女性の標準寸法は後巾8寸前巾6寸5分 男性の標準寸法は後巾8寸前巾7寸です。お店によって多少の違いはありますが、この前後です。標準寸法の詳しい説明は次のページをご覧下さい。
着物の身巾を測る時
身巾の測り方
縦80cm 横110cm以上の紙を用意してください。柔らかい布より融通のきかない紙の方が一番広い所が測れます。
女性の場合 このように測って 100cm になると 標準寸法 後巾8寸 前巾6寸5分 となります。