内揚げを作る理由1
- 縫い直しする時にそなえるため
- 前後の身頃交換の時に身丈が短くならないようにするため
- 絵羽あわせで左右の寸法を同じにするため
- 裾線を整えて 左右の丈を同寸にするため
※ 普通、内あげは左右の後身頃に1カ所ずつあるか 前身頃も加えて4か所のどちらかです。後身頃に1カ所だけというようなことはしません。仕立て直しでどうしても長く身丈がほしい時などに内あげのない着物もできますが、きれいな仕立てにできない場合があります。
1 縫い直しする時にそなえるため
着物はどんなにきをつけても、着る回数が多ければ多いほど、裾が汚れて、時には擦り切れたりします。汚れがひどく取れない時もあります。汚れたり、擦り切れたりするのは当然のことなので、仕立て直します。汚れたり、擦り切れた部分を裁って、以前よりも裾の出来上がり位置を上にあげます。前と同じ身丈に仕立てたいのであらかじめ余分な布を身丈の中に含めておきます。これが内あげです。
実際には 身頃だけが長くても意味がありません。衽や衿にもある程度の余分が必要です。着物は形見分けや着なくなったら他人に譲ったりします。できる範囲で余分をわざといれておくのです。着る人が変わる時、 例えば 母から娘用にする時は 身長の高い娘さんの場合 別生地で継ぎ足さなければならないことも多くあります。
図は後身頃で説明していますが、後身頃だけ内あげがあっても 身丈を伸ばすことはできません。前身頃にも内あげがないと意味がありません。
着物は構造上 前身頃に内あげがあって後身頃に内あげがないというのはよっぽどの事情がないかぎりありません。