縮む生地

7年前に仕立てた単衣長着が返ってきた。衿裏が衿先の所で表衿からはみだしているので なおしてほしいという依頼でした。

見ると 衿裏全体が ぼこぼこで 大変なことになっていた。7年前に こんな仕立てで納めた覚えはない。 7年間で どれぐらいの間隔で シミ取りとか 汗とりとか 丸洗いをしたのかはわかりませんが 表生地が 大きく縮んだために こうなったことは 確かです

身丈は1寸4分 (5.4センチ) 短くなっていた。こんなに 短くなって着るのに不都合はないのでしょうかと 取引先に伝えると いつも 着付けてもらうし 最近 お年を召してきて 背が縮んできたからという 言い訳を聞いた。 これには 矛盾がある。なせなら 最近 その方の洗い張りの長着の仕立てを承りましたが 今の身丈は 7年前より1寸5分 長く仕立てるように伝票に書いてありました。 7年前より 身巾が大きくなっているので 身丈を長く設定したのに・・・。 いつも人に着せてもらっているので 身丈の違いが わからないだけだろうと 推測しました。

衿を全部ほどかなければ 根本的な なおしとはいえません。小手先で 衿先からでている部分を 縫い込もうとしても できません。それで ほどいてなおすと決断しました。そこまでは よかったのですが ほどいた後の 掛け衿と地衿が・・・・・。地の目が 歪んでいて なおせません。悪戦苦闘 。

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