織りの紬

シチヘンゲ

織りの紬は 仕立てることが決まれば 必ず 湯どおしということをします。詳しい事は知りませんが 紬を織る時 織り糸にのりをつけないとうまく織れないのです。織るのに必要な事でその後はとるわけです。その作業が湯通しです。湯通しすると 生地がやわらかくなります。やわらかくなった生地しか触らない仕立て屋には あまりよくわからない感覚ですが、湯通ししたのとそうでないのとでは違いがあります。 そして 湯通ししないと 将来それが原因で 生地に支障がでるいうのだから 必ず しないといけない作業です。
呉服屋で 紬をさわると「かたい生地ですね」と聞いたら 店員が「決まれば 湯通しにだします。そうしてやわらかくしてから 仕立てますので 着心地はこれではありません」と説明された事がある人もいるのではないでしょうか?
その湯通しは慣習で 仕立てすると決まってからします。 どうして 呉服屋さんに渡す前に しないのか? と聞いても 「なぜだか しません。そうなってます。事前にしても なんの問題もないと思うけど・・・。」なのです。

どうして 私が 事前にしておかないの?と聞くのは 仕立てに時間がかかってしまうからです。 短縮できるであろうと思うことでも 変えない。習慣だからです。

変えられないのには 他の理由があるからという事も考えられますが、こんなちょっとした疑問を呉服屋に聞いても 説得力のある答えは なかなか返ってこないのが業界です。

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