歌舞伎に関する文様
- 芝翫縞 4本筋と鐶繋ぎを交互にした縞。鐶は箪笥の引き手のことです。4本の筋と鐶で四鐶=芝翫としゃれている。三代目中村歌右衛門(初代中村芝翫)
- 市松染 佐野川市松の名をつけたもので、石畳文が歌舞伎で人気を呼びこの名で呼ばれる。古くは石畳文、霰文と同じ。歌舞伎では紫と白など目立つ色が多い
- 菊五郎格子 四本筋と五本筋の格子に、キ、呂を配した模様。九、五、呂の意味。三代目尾上菊五郎が「義経千本桜」の中の衣装
芝翫縞
市松染
菊五郎格子
- 仲蔵縞 人の字形(h形)を三列並べて 横に太い縞を配置した。江戸時代の天明のころの中村仲蔵にちなんだ文様
- 鎌輪奴(かまわぬ) 市川団十郎家に関係がある。鎌と輪(○)とぬを並べたもので、どんな並べ方でもこの三種があると鎌輪奴の柄ということになる。
- 中村格子 ムを六本の縞で表現し、中とらと交互に配する。他に 太い縞一本と細い縞五本と組み合わせた場合もある
仲蔵縞
鎌輪奴(かまわぬ)
中村格子
- 三つ大縞 坂東三津五郎の三つ大の紋からきた縞柄。三を縦筋で、大という文字をデザイン化したものです。
- 亀蔵小紋 大小の渦巻き模様を配した。九代目市村羽左衛門が亀蔵時代に考案した。
- 彦三郎縞 ヒとコをひっつけて、三本の筋を配した。四代目坂東彦三郎の好み
三つ大縞
亀蔵小紋
彦三郎縞
- 四つ花菱 五代目松本幸四郎が当たり役とした「侞羅先代萩」の仁木弾正の衣装、長裃の柄に使った家紋。
- 団七縞 夏祭浪花鑑」という演目で主人公の団七九郎米衛が着る木綿の浴衣の柄。紺と白の格子の場合もある。
- 童子格子 酒天童子格子ともいう。「車引」という演目で 松王丸、梅王丸、桜丸の三兄弟がこの柄の衣装を着たりします。
四つ花菱
団七縞
童子格子
- 吉原繋文 隅入り角の文様をつなぎあわせた模様。江戸吉原の引手茶屋の軒暖簾などに用いられてこの名がついた。歌舞伎でこの文様がある衣裳を着ることもある。
- 高麗屋格子 太い縞と細い縞を交互に組み合わせた縦長の格子。四代目松本幸四郎が用いたのでその屋号をとった。
- 斧琴菊 三代目尾上菊五郎が衣装に好んで使った。語呂合わせで”良き事を聞く”を他の物に置き換えた吉祥文。丸は菊の図案化。琴は弦を張る所の図
吉原繋文
高麗屋格子
斧琴菊
- 弁慶格子 歌舞伎は演じる人というか家によって衣装が違います。翁格子の衣装や子持縞の衣装を着たりもします。太い格子縞で縦が黒、横が鼠色の濃いのになる。
- 六弥汰格子 桝を三つ重ねた三桝の四隅をそれぞれ順につなぎあわせた連続模様。歌舞伎の演名の岡部六弥汰の裃の定紋が三桝で、これが名の由来です。
- 弁慶格子 市川家を表しているので、成田屋や高麗屋の歌舞伎役者が弁慶を演じる時に着る。太い縞を一(市)として「川」」を三本の縞で表している。
弁慶格子
六弥汰格子
弁慶格子