着物の種類と寸法の関係
反物を買う時の注意
- 初めて着物を買う時は とりあえず 寸法を測ってもらう。これ 大切なことです。
- 腕の長い人は特に注意です。
- 一度買ったお店と異なるお店に行く時は 以前の着物の寸法表を持っていく。
- 長着の寸法を変えれば 長襦袢もかえなければならない部分ができます。
- お店は自分のところで買ってくれる着物のことしか考えません。黙っていると寸法がばらばらな着物が増えていく可能性があります。
- 生地巾とほんとに使える生地巾とは異なります。同じ生地巾の反物でも耳巾が違います。
- 地のしをすることで生地が縮みます。お店で見て生地巾がぎりぎりならば 実際にはそれより狭く仕立てあがる可能性が高いです。
- 身長や体重を過少申告する人がいますが、絶対にやめていただきたいと思っています。縫い直しは最初から縫うよりも手間がかかるのです。
寸法を測ってください。なんてリクエストすると店員さんは着物も決まってないのにと内心思うでしょうが ほんとにお客様の事を思っているならば測るべきです。場合によっては生地巾や丈が足りないのでできませんといえるのです。
女性の場合
- 並巾の反物を使う場合、裄が1尺8寸で袖巾9寸肩巾9寸の分け方ならばたいていの人は仕立てられます。
- 最近は並巾が広くなってきています。1尺8寸1分以上の裄もめずらしくありません。
- 以前はできませんでしたが、1尺8寸5分の裄がとれるような並巾の生地もあります。
- 裄1尺8寸5分の長着を作ると羽織やコートはそれより裄を広くする必要があります。羽織やコートの反物の生地巾はまだ対応できていないという感じがします。裄が広い人はコートの裄が長着より短くならないように 長着の裄を設定します。
- 次のページに詳しく書いています。身丈については 反物によって長さが異なる為に身長の高い人は注意した方がいいです。背から4尺4寸以上必要な人は絵羽物であろうとなかろうと必要な丈があるかを確認した方がいいでしょう。背から4尺3寸以上の人になると袖丈や繰越の寸法によってはゆとりのない場合があります。
男性の場合
- キングサイズがありますのでたいていの人は仕立てられます。
- 寸法によっては並巾の反物でも仕立てられないことはありません。
- ほんとに大きな人は2反使って縫います。裄がたりないので袖や肩の部分にたし布をします。
- 並巾では衽巾と衿巾が標準寸法ならば袖に5分~1寸弱のたし布ができます。一色で染められている無地やこまかい柄はきにする必要はありませんが柄によってはたし布と袖付側の柄をあわせる必要があります。決め手しまう前に柄ゆきまで考えた方がいいときがあります。仕立ての知識がないと助言はできません。
- 時代劇や歌舞伎そして力士の方達をテレビでみるとたまにたし布がわかる時があります。たし布することを「そでつぎ」「わりぬい」というようです。「上級編8 和服の裁ち方4」 男物長着の割りいれについてくわしく掲載しています。
- 基本は中級編7に掲載していますのでそちらをご覧いただいてからの方がわかりやすいです。
絵羽の長着の注意点
袖丈と袖の柄 身丈と褄下(衿下)の柄
留袖、訪問着、付け下げの袖丈は一尺五寸には仕立てられるようになっています。身頃は褄下の柄の高さをみると背の高い人ようなのかどうかを見分けることができます。上の着物は背の高い人用にデザインしてみたものです。褄下が2尺2寸となると身長170センチ近い人です。
上から裾の位置を決めると下前の方の裾柄がなくなってしまいます。袖山の方から袖丈をとると柄のバランスが悪くなってしまいます。
裾の柄を基準に仕立てると衿先のところで褄下に柄があるのに衿先には柄がないというデザインになってしまいます。お袖は袖山の位置を少し上にあげて、袖の柄を1尺3寸にあうようにした場合です。
裄が広い人
柄が端まで描いてあるかをみる
反物の端まで柄が描いてあるとは限りません。裄の広い人はあらかじめみておきましょう。柄は消すより付け足す方が簡単です。購入前に柄を足してくれるように呉服屋さんに交渉しましょう。
裄が狭い人
柄が端まで描いてあるかをみる
袖巾が8寸5分より狭い人は袖の柄が袖付側で切れてしまう時があります。全体に柄があるような時は気になりませんが、身頃の袖付に模様がなく、袖の柄だけが欠けるような時はおかしいです。袖口で縫いこむ方法もありますが袖丈も含めて全体のバランスを考える必要があります。
身巾が広い人
身巾の広い人も同じ事がいえます。脇の柄がどこまで描いているかみておいて損はないです。
後巾八寸三分,前巾七寸二分までならば大抵は柄がありますがそれ以上になると柄がないことが多いです。図は後身頃ですが、前身頃も同じです。
友禅などの訪問着は柄の端に線がはいっている場合があります。柄が切れるだけでなく 変な線が見えてしまうので 必然的に線の内側が一番広い寸法です。