着物の身巾を肩から裾に行くに従って 身巾を狭くする仕立て方です。
昔は ほっそりした人の事を スマートな人といいました。よく考えると 英語のスマートは賢いという意味です。スマートフォンは賢い電話ということなのです。ほっそりした人はスリムというのが正しいと思いますが 昔の言葉が 今でも使われ スマート仕立てといいます。
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- 長着(着物)の場合 合褄巾の位置を身巾基準に 裾の身巾を5分から3分 狭くして 裾すぼまりに仕立てる方法
- 合妻巾の位置から1尺ぐらいは同じ身巾にして そこから裾までを5分から3分 狭くして裾すぼまりに仕立てる方法
- 肩巾から裾までを斜めに仕立てる方法
この三つの方法があります。
他のサイトを見ていたら 内あげから裾に行くにつれて 巾を3分から5分狭くするとしている仕立て屋さんもいるようで いずれにしても 裾にいくほど巾がせまくなるのは同じです。
そもそも 着付けの時に 裾すぼまりに着ることを意識していないように思います。また 着付けの先生がそこを意識して教えていないように思います。昔の着付けの本には 裾すぼまりに着るとう説明がありました。
私は 申し出がなければ 2番の仕立て方をします。人間 横から見ると お尻がでていますが 太もものところも出ています。着物は 上半身と下半身がつながっている服ですので バスト ウエスト ヒップに合わせて縫いたくても 急に巾を変えられないし それをすると きれいにたためません。椅子に座ったり 正座したりする時 着物は下半身を覆っているので 身巾が狭いと 余裕がないので 動作がしにくくなり 転倒の原因にもつながります。正座で足がしびれた時 立ちたあがりたくても できませんが そこに身巾の狭い着物を着ていたら もっと 立ちあがれません。つまり 正座をして 足がしびれていなくても 身巾が狭すぎると 立てません。正座はしないから いいという人もいますが それは 大きな間違いで 正座して 無理なく立ち上がれるぐらいの身巾に仕立てるのがいいのです。
肩巾から抱き巾 衿先の所の身巾 裾の前巾 までの寸法
昔は 裄 そのものを広くしない習慣がありました。それは 普段に着物を着るので 裄を広くすると 日常生活に支障があるからです。 抱き巾=前巾の仕立て方の方が多いと思います。スマート仕立ては 身巾が標準寸法ではなく もっと広い方にたいしてする仕立てと考えていただければよいかと思います。