和裁初級1 着物が仕立てあがるまでの工程
最低限必要な日にち
- 着物の反物は仕立て屋がすぐに作業にかかれる反物と反物の整理をしてから仕立て屋が作業にはいれる反物とに分かれます。
- 反物の整理とは ゆのし ゆどおしのことです。
- そのほか必要に応じて 解き端縫い 紋入れ ガード加工 などを行う時もあります。
- 長着一枚仕立てあげるのに ゆのしやゆどうしに3日 仕立て屋さんに4日~5日は必要です。 全部で一週間ぐらいは最低必要です。
- 配送の関係で時間がかかる場合もあります。 紋いれなどの作業が加わればもう少しかかります。
悉皆屋 (しっかいや)
- 呉服屋さんの取引業者には必ず悉皆屋と呼ばれるお店があります。
- しみぬき 紋入れ ゆのし 湯通し 解き端縫い 色やけなおし 丸洗い 洗い張り 染め替えなど それぞれに専門家がいます。
- 呉服屋さんがそれぞれの専門家に作業を依頼するのは手間がかかります。悉皆屋さんは一手にこれらを引き受けて 必要に応じてそれぞれの専門家に作業を依頼します。
通常の仕立て期間は1カ月から
- 呉服屋さんの中には仕立てのお店に渡したらすべてを任せてしまうお店があります。
- 海外の縫製業者にまかせてしまうお店の事情はよくわかりませんが まとまった量がなければ 送料がかかりすぎて意味がありません。従って 海外縫製は 日本から送る作業や 戻って来た着物の点検作業が必ず必要です。
- 湯のしや湯どおしは機械で行います。ある程度の量がまとまったら作業にはいるというのが現状です。反物一枚だけのために機械は動かせません。湯のし 湯どおしに3日といいましたが お店の事情で 時間がかかる場合もあります。
図で見る工程
昔は 呉服屋さんも仕立てをしていた
- 昔は「あら裁ち」をしてから呉服屋は仕立て屋に渡していました。「あら裁ち」とは「袖」「身頃」「衿衽」と大きく裁って、柄を決める行為です。
- この作業は呉服屋さんが商品を検品し、柄ゆきを考えていたということです。
- 「あら裁ち」をする呉服屋さんはそうそうないと思います。
- あら裁ちをすると生地の状態がわかるので、自社で販売する商品の良し悪しがわかる作業なのですが・・・。
マイ仕立て屋に依頼するを推奨する理由
- 残念ながら 呉服屋さんが細かく検品するということをしません。
- 呉服屋によって難の範囲はいろいろです。仕立てたら見えない難は 難とは見なさず そのまま縫うようにいう呉服屋があります。 外部の加工業者に任せてそれで満足のお店もあります。
- 難をなおす技術は高いので 仕立てあがってからなおします。といわれると 仕立て屋は縫製作業にはいるしかありません。
- 呉服屋さんと利害関係のない仕立て屋に縫製を依頼すると縫製前に難を聞くことができます。
- 呉服屋の立場からすると 自社と取引していない仕立て屋がシミをつけて 最初からあったようにクレームをつけられては困ります。縫製は自社の取引している仕立て屋でという方ことが多いのです。
- 難がなければ 誰に仕立てられてもかまわないはずです。
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