和裁初級3 地のし

青い花

地のし

仕立て屋が縫う前に最初にするのが「地のし」です。この「地のし」の方法で仕立て上がりが全く違います。この工程を飛ばすときれいな仕立てはできません。個人の仕立て屋はスチームアイロンを使います。仕立てのご依頼がたくさんある会社ですと地のし専用の機械があり それ使用している会社もあります。私は個人の仕立て屋なので仕立てご依頼の量が違いますし 実物の地のし専用機をこの目で拝見したことはありません。

地のしをする理由

  1. 地の目を通すため
    • 経糸緯糸を均一に並べる理由は 着物の場合 地の目が通っているときれいな仕上がりに見えます。

地の目を真っ直ぐにする

  • 確かめたわけではないですが 地のしのイメージ

経糸緯糸がきれいに整列するようにする

  • 着物用の織物はたくさんの種類があり 経糸と緯糸が寸分の狂いもなく交差していることなどありえません。だから無理に地の目を通さなくてもいいのです。そればかりを気にしたら 結局 トイレの灯りに100ワットの電球を使っているようなもので「無駄に明るい」つまり 仕立てですと 着る人は気にもとめない事だというのに 仕立てに時間がかかり その手間のわりに報酬が安いです。
  1. 地のしをする本当の目的
    • 和服も洋服もきれいに仕上げるために 縫ったらその部分にアイロンをあてます。つまり 縫い目の部分をきれいにするには「水分 温度 圧力」が必要です。きれいな折り目を作ったり きれいな曲線に仕上げたりするためです。ところが そのアイロンがあたった所は縦糸緯糸の間隔がせまくなり 縮むという現象がおきます。縮むと生地の風合いが損なわれることもあるので 生地質を見極めることが大切です。

縫って アイロンをかける

  • 地のしは反物を裁つ前にしなければならない作業であることがわかります。訪問着などの仮絵羽の着物は荒裁ちになっていますが その荒裁ちの時にします。丈の方は正確に測ったことはありませんが 巾の方だと表生地で1分から2分縮まります。

地のしをしないで縫った袖

  • 地のしをしてないで着物を縫うと 縫った部分とその周囲だけが 縫い詰まりがおきて 極端ですが 袖だと両端が縮まり 中だるみがおきます。

理想的な地のしのイメージ

理想的な地のしのイメージ

 

  • 縫う時は最低限 二枚の生地を縫いあわせます。その二枚の生地をつなぎとめるのが糸になりますが その糸もアイロンをあてることで 縮みます。化繊は縮みませんが糸に弾力がありません。縫った後 玉止めをする前に 糸しごきを十分にする必要があります。最近というか 日本が不況になり 絹糸を外国で製造するようになってから 糸の品質が変わった気がします。
  • その糸質の様変わりを感覚で読み取り よい仕立てをしなければならないのです。大変です。

地の目をまっすぐにする

人の目は 細かい所まで 読みとってばかりいると疲れると 思うのですが 上の図のように 肩山や袖山のラインがまっすぐの方が きれいに見えます。だから できるだけ 理想に近づけようとして できるだけ 地のしをします。

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