上級編1 紗合わせ

薄物の着尺二反を使って一枚の長着に仕立てたものを紗合わせといいます。紗合わせは仕立ての方法からうまれた名称だと思っています。
着る期間も短く、ほとんどお店で見かけませんが、仮絵羽になって売っていると思います。仮絵羽の方がわかりやすいからです。鏡の前ではおって見ることでより着たらどんな感じになるのかわかります。「二反の薄物の着尺を買って紗合わせに仕立ててください。」という方法も可能だとは思います。すでに持っている薄物の着物二枚を紗合わせに仕立てなおすこともできます。でも 紗合わせとして売っている物を購入する方がいいと思います。

紗合わせの組み合わせ

二反とも紗の生地で色や柄が異なる組み合わせや外側が紗で内側が絽のように種類の異なる組み合わせの時もあります。外側が濃い色で内側が薄い色で、柄は内側の方にするデザインが多いです。
種類の異なる織物を重ねると光線の具合で、色がころころ変わって見えたり、下の模様が隠れたり、よく見えたりします。このような効果をねらって「合わせ」にするので 外側の方が透けた部分がある生地じゃないと意味がありません。

着る時期

人によって言う事が違います。ネットで6月末の10日ほどとか2週間ほど。6月9月に着るとか。 6月に着るけど9月は着ないとか それから 「紗袷」という人は6月から単衣になる、紗袷だからその前月5月に冬物は暑いのでという日に着る これが究極のおしゃれと紹介をしている人もいます。現在 6月から単衣 7月8月は薄物 10月から袷というのも守るのはしんどい気がします。10月だと暑い日もあり単衣で十分と思う日もあるのです。基本的に透けた着物なので真冬というのは違うと思いますが。それ以外 持っている人が着たいと思う時に着る。これでいいなじゃないでしょうか?

紗合わせの別名

二重紗、無双と呼んだり、 紗袷と表記するのを見ます。どれも間違いとはいいにくいですが 「紗合わせ」と書くのが他と区別でき まぎらわしくない名の付け方と思います。

紗合わせはいつごろできた?

1999年発行の「美しいキモノ」夏号に紗合わせの事が紹介されています。この本は定期的に発行される着物を紹介する代表的な本です。そのまま引用しますと

大正時代にごく限られた方がきていた無双のきものが、戦後 東をどりで新橋の芸者衆がいっせいに着たのをきっかけに、一般に広まったといわれています。

着物の歴史では 最近うまれた部類にはいると思います。

紗合わせと表記するのが一番いいと思う理由

無双

表裏同じ生地で作る事を無双といいます。同じ生地の解釈が人によって変わるみたいですが、織り方が同じで色違いの二反の紗をつかって紗合わせしたら無双といえます。色が異なれば違う生地だという解釈もあります。ただ個人的に 色違いだけの組み合わせはあまり面白くありません。

二重紗

織物編のからみ組織のところに 紗の見本生地を掲載しています。この中に表が黒、裏が青の紗を掲載しています。この織物は 縦糸が黒と青の二種類の糸 緯糸は黒をつかっています。おそらく この織り方は二重織だと思います。二重織の紗を略して二重紗といえないことはないです。織物の名称は織っている業者しかわからないぐらい専門的なことなので、一般の人に説明するには わかりよい言い方だと思っています。このように表と裏が違う色に織っていると 紗合わせと同じような効果があります。

絽の羽織 後ろ姿
紗合わせとは違いますが 絽の羽織を着た後ろ姿です。 下の着物や帯が透けて見えてます。ただ 着ている人はほとんどどんなふうに見えるのかわかっていません。紗合わせは周囲からながめる方が面白いです。下の模様が見えたり 消えたり、黒だと思った着物が全く違う色に見えたりします。